ミレニアル世代の次世代が現れる、かも
既存の教科書ともサイズの親和性が高いことからもわかる通り、iPad Proの導入が特に期待されている分野が、まさに教育現場です。文部科学省の調べでは平成27年の電子教科書の整備状況は平均39.3%と年々増加傾向にあります。
このまま整備が進めば将来的には、辞書や資料集、地図帳など参考資料も全て1つのタブレットの中に収録することができるようになるかもしれません。そうなれば重要度の低い知識は暗記せずとも、その場で手元のタブレットで調べれば良くなります。
こういった学習スタイルの変化によって、デジタル教科書で学んだ学生は、ただ闇雲に知識を詰め込むのではなく、必要な知識を必要なタイミングで適切に取り出すことを得意とするスマートな世代となるでしょう。
すでにマーケティング業界では、ミレニアル世代と呼ばれる西暦2000年前後に生まれ、幼い頃からデジタル機器やインターネットを使いこなして育った世代は、その上の世代とは明らかに異なる志向や価値観を持っているとされ、彼らに対していかにコミュニケーションするかが大きな関心を集めています。
電子教科書で育った、ミレニアルのさらに次の世代では一体どのような変化が現れるのか。マーケティングの手法にも大きな変化が求められるかもしれません。

ビジネスの現場はどう変わる?
iPad Proはビジネスシーンでもその活用が期待されています。オフィスで最もよく用いられる資料サイズはA4用紙。iPad Proのスクリーンサイズと解像度があれば、そのオフィスドキュメントを原寸に近い縮尺で表示できます。
特に大きな画面の力が発揮されそうな業種としては、ビジュアル要素がビジネスに直結するものがあげられます。例えば、アパレルやCADデータを使う建築やインテリア、それにレントゲンやエコー写真などを扱う医療分野です。
しかもデジタルデバイスならば、単なる従来の紙の代替にはなりません。例えばインテリアであれば、その場でテクスチャやデザインを自在に変えてみたり、医療であれば体の様子を3Dで動かしてみたり、と付加価値をつけた見せ方が可能になります。
もちろん、従来サイズのiPadでも同様のことはできました。けれども小さいサイズでは、顧客体験を損なう可能性があります。例えば、タブレットを使ってヘアカタログを見せる美容室の場合、美容師とお客さんが膝を並べてタブレットを覗き込む必要があります。画面を見るために、顔と顔が近づくことは一見、お客さんとの距離が縮まって良いようにも思えます。ですが、パーソナルスペースの幅は人それぞれ。まだ親しくない相手が自分のテリトリーに入ってくると、不快を感じる場合もあります。BtoBの商談でも似たようなケースがありそうです。
一般に、知らない人度同士が会話する場合は1.2mから2m程度の距離が必要だと言われます。相手に手は届きにくいけれど、容易に会話ができる距離です。ちょうどテーブルを挟んで向かい合ったくらいの距離感です。これまでのタブレットサイズでは、相手と一緒に画面を見るためにはどうしてもこのテリトリーに入り込む必要がありました。
iPad Proであれば、もう少し距離をとって画面を共有でそうです。機能やスペックだけではないサイズの違いならではの使い勝手が、生身の人間を相手にする商談や接客の現場では重要になってくるのです。
