コンテンツ改善を推進する仕組み
岩田氏が提示した指標は計6つ。ユニーク訪問者数の数値は良くても、会員登録数は良くないなど、それぞれが異なる傾向を示すだろう。これらを総合的に評価しなければ、PDCAサイクルを円滑に回すことはできない。
そこで岩田氏は、指標の実際値を平均と比べた“比率”をポイント化し、それの和によってコンテンツの善し悪しを判断する仕組みとして、「moz.com」の「One Metric template」を紹介する。Googleのスプレットシートになっており、Facebookの「いいね数」などの数値を入力することで「平均比率ポイントの和=コンテンツスコア」を算出して効果を可視化できる。
この「コンテンツスコア」をコンテンツの作成者に伝えれば、モチベーションを高めるきっかけになるだろう。また流入はあるがその後のスコアが低い場合はコンテンツの見直しを、逆に流入後の反応がいい場合はタイトルなどの見直しで流入を強化するといったように、コンテンツの改善を行うこともできる。
ロックオンが導き出す「コンテンツスコア」
岩田氏はこうした計測・分析を行わず、「PVとコンバージョンだけで評価すること」に対して懸念を示す。オウンドメディアは潜在顧客層へのアプローチであるが故に、PVに対してコンバージョンはかなり低いことが多い。その時PVとコンバージョンの間における顧客態度の変化を測定せずに「効果が低い」「割高」と判断することによって、コンテンツマーケティングの価値を見いだせず、施策そのものが停止されることがあるという。
これに対し、「コンテンツマーケティングとは、遠くから潜在顧客にリーチし、長い時間をかけて関係を醸成していく施策。その価値を理解してもらうためにも、こうしたKPIの評価は必要であり、それに基づく運営が重要となる」と岩田氏は強調する。
そしてロックオンでは、「コンテンツエビス」として、流入評価や読了評価、共感評価、拡散評価、成果評価の数値化と重み付けの自動計算による「コンテンツスコア」の提供を開始したという。
「アドエビスのこれまでの蓄積があってこそ、ワンストップでここまでのコンテンツスコアを提供することができる。培ってきた資産をフル活用したソリューション」と岩田氏は胸を張る。今後はセミナーなどを開催し、「コンテンツエビス」の機能や具体的なコンテンツマーケティング運営のメソッドなどを紹介する予定だ。