SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

データ活用の高度化を考える(AD)

「メディアデータを活用した広告」の種類、どれだけ頭に浮かびますか? 現在の課題から今後の広告を考える

これからの広告商品を考える

 前ページで紹介したように、メディアのデータを使った様々な商品が登場していますが、それぞれに課題があり、どれも商品としてレギュラー化していかないという課題があります。この状況を受けてか、最近ではちょっと毛色の違った商品が出てきています。ここからは、いくつかのメディアデータを使った商品設計と、今までの課題を解決する方法について私たちの取り組みを交えてご紹介します。

メディア×メディア型広告商品

 従来のメディアデータを活用した商品には、メディアの既存クライアント向けのアップセル商品というイメージが強かったと思います。しかし、それでは既存商品とのカニバリや、せっかくデータを活用した商品を作ってもオプションとして扱われてしまうことが多いでしょう。

 そこで最近、私たちが取り組んでいることが複数のデータソースを掛け合わせた広告商品の開発です。例えば、乗り換え案内系のデータであれば、どこの駅を利用することが多いか、土日はどこに遊びに行くことが多いか等の情報を取得することができます。しかし、駅単位ではデータ量が少なすぎたり、網羅的に駅名を列挙することは工数的に価値を出しにくかったりと課題がありました。そこで行なっているのが、アンケートのデータを掛け合わせることで駅情報をグルーピングして販売する商品設計方法です。

 例えば、アンケートで取得している年収情報と掛け合わせれば、「年収800万円以上の人がXX%以上いる駅」を利用している人に対して、高級商材の広告配信や、その他マーケティング活動を行うことが可能です。また、未婚の人がよく使っている沿線や駅に対してマーケティングを行いましょう、といった形で一定のルールを持った商品を作成することができます。

様々なデータソースを組み合わせて高級車のクライアント向けにグルーピングした商品の例
様々なデータソースを組み合わせて高級車のクライアント向けにグルーピングした商品の例

 それ以外にも特化型メディアを持った2社の情報を掛け合わせて、ライフステージにあった広告を打つといったパッケージ商品を作成することができるようになります。そういった既存のメディアの閲覧者を他のメディアを使って意味づけをして、グルーピングをして商品として提供するという方法は今後増えていくと考えています。

データ分析型のメディア広告商品

 メディアデータを使った広告商品の課題の中に「ダイレクトレスポンスの領域だとパフォーマンスが合わない」という課題があります。そこで事前にメディアデータとクライアントの自社データと掛け合わせて、パフォーマンスが合いそうなセグメントを見つけ出し、そのセグメント群をパッケージングするという取り組みが進んでいます。

 例えば私たちの場合は、クライアントのサイトにおけるCVRが高い属性を見つけ出して、メディアデータの中からCVRが高いカテゴリや、クライアントのサイト来訪者と相性が良いカテゴリを見つけ、その二つの指標からカテゴリをグルーピングおよびパッケージングしてターゲティングを行う商品の開発をしています。その逆で、相性が悪いカテゴリをパッケージングして除外するなどしてパフォーマンスをチューニングする取り組みも行っています。

 カテゴリを活用することで記事の内容や傾向を見られるため、ターゲット像が明確になり、クリエイティブも含めた配信の最適化を行うことが可能になります。実際に、取り組みを通してダイレクトレスポンスでもパフォーマンスが合う例が出てきています。

ニーズに沿った商品設計が重要

 近年発表されているアドブロックなど、メディアにとっては既存の広告枠を用いたマネタイズが難しくなってくることが予測されます。そのような背景もあり、今後は今までよりも、メディアデータを活用した広告商品へのニーズは増えてくるでしょう。

 一方で、従来型のメディアデータを使った広告商品では、データを活用してくれるマーケターや代理店の担当者のニーズと合致しないケースが多く、結果として販売が促進されないという問題も引き続き発生する可能性があります。メディアを活用した商品は、よりマーケターや代理店の担当者のニーズに合致した商品にしていく必要があるでしょうし、紹介したような商品設計以外にもニーズに沿った商品設計が今後メディアデータを使ったマーケティングの重要なポイントになると考えています。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
データ活用の高度化を考える連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

簗島 亮次(ヤナシマ リョウジ)

株式会社インティメート・マージャー代表取締役社長。
慶應義塾大学 大学院 政策・メディア研究科を2010年首席で卒業。
2013年、Googleのレイ・カーツワイル氏が2020年に起きると予測した「あらゆるデータがひとつに統合される」という革命を冠した株式会社インティメート・マージャーを創業し、2019年10月...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2015/12/11 12:00 https://markezine.jp/article/detail/23540

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング