変化の大きいアプリ市場の未来を占う
アプリ市場全体が変化するなか、米App Annieは、2016年に注目すべきアプリのトレンドを分析したレポート「2016年アプリトレンド予測:tvOSからGoogle Now on Tapまで、アプリがウェブを浸食」を発表。2015年アプリ市場の動向をまとめるとともに、2016年の10大トレンドとして、以下の事柄を予測した。本記事ではその内容を紹介したい。
Google Now on Tapが状況を変える
Google Now on TapはAndroid 6にて搭載されたGoogle Nowの新機能。アプリを利用中にで知りたいと思った情報を、テキストやホームキーのタップといった動作を行うことで、Google検索に切り替えることなく得ることができる。ディープリンク機能によって、アプリの挙動はよりウェブに近づき、ユーザーの挙動も進化すると考えられる。
eスポーツが新たな収益源か
デジタル音楽の登場により、音楽が安価で手に届きやすいものになっている。その影響かコンサートチケット収益は増益し、ライブイベントに対する需要が高まっている。ゲーム業界においても無料のモバイルゲームが幅広いオーディエンスを獲得し、音楽業界と同様の展開が起きている。ここから、モバイルゲーム大会ややモバイルeスポーツの需要が今後高まるかもしれず、ゲームパブリッシャーにとって新たな収益ストリームになる可能性がある。
メッセージングアプリプラットフォーム
欧米では機能別のアプリ提供が主要なトレンドなのに対し、アジアのメッセージングアプリのプラットフォームはテキストメッセージの枠を超えて、ゲーム、タクシー配車、決済など統合的なサービス提供が行われている。Facebookは2016年、Facebook Messengerプラットフォームを拡大することで状況を変えようとしている。。だが、欧米のの主要メッセージングアプリがアジアのメッセージングアプリに追いつくのはまだ先だと予測される。
O2Oサービス、アジアに整理統合の波
O2Oコマース業界は急速な成長による競争激化の結果、顧客獲得コストが上昇している。アジアでは特にその傾向が顕著で、多額の割引等を伴う価格設定が、ユーザー獲得の一般的な手段になっている。しかし、値下げによって顧客ロイヤルティと、顧客生涯価値の低下を招く結果となった。このため、2016年はアジアのO2O分野には整理統合が始まり、一地域に少数の支配的プレーヤーが残るのみになるまでこの動きは続くと考えられる。
仕事効率化アプリのDLは増加
タブレットのCPU性能は、向上し続けているが、iPadアプリのダウンロード数全体に占める割仕事効率化アプリのダウンロード数は、2010年から大きな変化は見られない。
これは、書類などを作成するために必要な画面と入力方法が伴っていなかったからだと考えられる。2015年iPad Proがリリースされ、プラットフォーム提供業者の後押しが行なわれることにより、仕事効率化アプリのダウンロード数は2016年とそれ以降、増加すると考えられる。