応募数アップだけでなく、入社後のミスマッチ解消へも貢献
では、サービスをスタートしてからこれまで、どういった成果が出ているのだろうか。
「雰囲気が伝わったかどうかのデータを取るのは大変難しいですが、応募自体には明らかな変化がありました。例えば、これまで、採用に苦戦していたアパレルブランドの店舗にて、雰囲気動画を導入した結果、応募が今までの数倍になりました。さらに、採用にもつながるなど、実績が出たのは大きな進歩ですね」(染谷氏)
アパレル業界は、ブランドイメージや店舗の雰囲気などによって、求職者のイメージに合う・合わないがはっきりと分かれる業界のひとつ。そのため、事前にそれらを確認できる動画施策との相性はとても良いのだという。
「視聴状況に関しては、動画のある求人原稿に来たユーザーのうちの一定数は見ている状況です。ただ、この数字はこれからも伸ばしていけるはずです。また、動画を見た人の応募率はそうでない人に比べ、倍以上も高くなっています。これらの結果からも、動画が応募の意思決定にかなり役立っていることがわかります」(鹿島氏)
こういった結果から、今の若年層が非言語的なビジュアルコミュニケーションを重視していることもわかる。
「私どもも、この動画を提供するにあたり、百人以上の学生に会ってヒアリングを行ってきました。そしてYouTubeやインスタグラムなど、テキストよりも動画や写真から情報を受け取ることが当たり前になっていることがわかりました。動画は一つの手段でしかありませんが、今後も注力するメリットは大いにあると思います」(染谷氏)
改善の先にあるのは、ミスマッチの起きない求人メディア
今後、『フロム・エー ナビ』をどう発展させていきたいか、両者に展望を伺った。
「究極的には、ユーザーが“職場の雰囲気”を体感できるくらいのメディアを目指したいです。そのための第一歩がこの雰囲気動画の取り組みだと思っています。その結果として、求職者と求人企業のミスマッチが起きない様なメディアに近づけていきたいと考えています。」(染谷氏)
「ユーザーが動画に違和感のない若年層であるため、開発側としては動画の自動再生も視野に入れたいと思っています。また、動画が増えていくとそれは資産と捉えることもできます。例えば、ページの訪問者に動画を見ていただくだけではなく、プッシュ通知やメールなどで届けていく努力も行いたいと考えています。動画掲載ページの認知度が広がることで、雰囲気がわかるメディアということをユーザーにより訴求できるので。そして、動画含め応募者が増えるトリガーを増やしていけるよう、日々開発、サービス改善に取り組んでいきたいと思っています」(鹿島氏)