社会人は使わない、ローカルな言葉を探せ!
Twitterでのターゲティングは、利用者のプロフィールやフォローするアカウント、ツイートをもとに定めることができる。柔軟であるが故に、どのようなハンドルやキーワードを設定するかは非常に重要だ。
「“新歓”など大学生しか使わないタイムリーなキーワードを洗い出して設定しています。ここにもアンケートは役立ちますし、時には学生さんに会って話すことで情報を探っています。例えば大学やキャンパスの省略名や大学生でしか使わないような呼び名。社会人はほとんど使わない、その世代や、大学独特のキーワードが必ずあります」(北野氏)
目立ったものでなくても留年や卒論、休講なども該当する。一方で気をつけていることが、キーワードを“リスティング仕様”にしないことだ。
「例えば塾講師の求人情報をTwitterで訴求するときに、“塾講師”や“バイト”といったキーワードはあまり効果的ではありません。なぜなら、それらのキーワードは検索するときに使う言葉だからです。実際にツイートする際に使う言葉は、“塾講”“チューター”“個別”等です。大学生の話し言葉に置換することが重要だと考えています」(北野氏)
入札の設定も重要なファクター
求人情報に関しては、さらにターゲットを広くとっているという。短期バイトの求人が多いため、リピーターを狙ってモチベーションの高いユーザーへリターゲティングに近いかたちで広告を配信している。また、「Twitterさんからは、CPAを下げるための設定方法などアドバイスをいただいています」と野口氏。
例えば、運用型広告には欠かせない入札額の設定。エンゲージメントやクリックなど特定の目的1件あたりの上限額によって運用される上限入札設定や、目標とするCPLC(コスト・パー・リンククリック)で落札できるよう入札額が最適化される目標入札設定がある。「本当にトモノカイさんの求人情報を求めているユーザーへリーチを拡げる場合は、後者の設定をすることでさらなる配信が期待できます」(高井氏)
「面白さ」と「ギャップ」を意識したクリエイティブ
もうひとつ、トモノカイが大切にしていることが、Twitterを介してユーザーに楽しんでもらうことだ。
例えばTwitterの投票機能を活用した広告の展開。“やりたいバイトがあったらt-newsに登録”といったテキストと共に、4つの選択肢のうち3つに職種を、1つにはあえて“バイトせずに家でゴロゴロする”を入れた。
「結果は“家でゴロゴロ”が一番多かったです(笑)。皆さんにはその結果を面白がってもらえました。広告として成立したかは判断が難しいですが、オチとしてはアリかなと」(北野氏)
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— t-news|大学生のためのお役立ち情報 (@tnews_tomonokai) 2016年2月27日
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他にも、野球帽をかぶった女性の写真に“試験監督する?”という文言を入れたクリエイティブでは、野球の監督と試験監督のミスマッチから“監督違いじゃん”といったリプライが集まり、インプレッションが向上するとともに、CPAを下げることに成功している。
「広告クリエイティブは、できるだけリツイートを狙う」と北野氏。あえて突っ込みどころを用意するようにしているという。
こういったチャレンジは、自社のイメージ向上にも役立つようだ。「このような試みを続けることで、ユーザーからアカウントの性格を認識してもらえるようになります。すると結果的にネガティブな反応も少なくなります。今でもネガティブな反応や炎上を怖がり、一歩踏み出せない企業さんもいらっしゃいますが、実はこういった施策を続けてユーザーの理解を得ることが親しまれる近道でもあるのです」(高井氏)
もちろん、全ての施策が成功しているわけではない。例えば、1ツイートで複数の画像を利用できる機能を活用した、4コマのクリエイティブを2時間ほどで取り下げたことがある。1つのコマが学生への批判に取れるという反応があったためだ。
「全体のストーリーを考えると問題なくとも、一部を切り取ると違和感が生じるケースはあるものです。クリエイティブとしてはダメですが、このようなケースは学生スタッフが、何がダメだったのか、何を大切にすべきかを学べる機会にもなります。ですから、施策としては褒められませんが、一概に悪かったとも言えませんね」(北野氏)