SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

UI/UX改善“実践”レポート

営業も開発も、みんなで利用者の視点に立ったら何が見える? 「rakumo」の課題はコレでした。

ワークショップのメリットは何だろう

 私たちが取り組んだワークショップはここまでです。ここからは、ワークショップを行って良かった点と、気づいた課題を共有したいと思います。

 口数の少ない社員が多い弊社にとって、付箋に意見を書くスタイルは、意見を出しやすい仕組みでした。誰が書いたかわからない匿名性ゆえ、フラットな評価ができる点も良いです(貼るところを見ていたらわかりますが……)。

 また、貼られた付箋を見て新たな意見を思いつく「昇華」のプロセスが内在しているので、意見が出やすかったです。それもあってか、20分足らずで200件以上の意見が集められ、とにかく数を集めたい場合には有効だと思いました。こう書くと質より量なのか、と思われるかもしれませんが、集まった意見にみんなで投票する仕組みにすれば、質も担保できます。

 一方で新たな課題も見つかりました。それが、ファシリテーション技術の向上です。ワークショップを回すファシリテーターも重要な存在です。今回は坂本さんに務めていただきましたが、適切な問いの用意に始まり、意見の出やすい雰囲気作り、さらなる意見を引き出す誘導、集まった意見のとりまとめなど、いずれも経験が必要な役割だと感じました。今後は、今回のワークショップの参加者に率先してファシリテーターになってもらい、経験値を積んでいきたいと思っています。

 最後に、今回のUXワークショップは、弊社社長の指示による組織的な取り組みでした。この「組織単位」である点は重要だと思います。各部署から複数名が2時間以上参加するワークショップには、通常の業務から、多くの人的・時間的リソースを割くことになります。つまり、UXワークショップの開催は経営マターによるところが大きいのです。

 結果として私たちは、部署内の問題意識を組織的に共有する手法や、企画段階などの上流工程に営業やサポート部門までが参加できる、工学的なアプローチを学ぶことができました。これは共通言語を得たとも言え、異なる職種からの切り口や意見を、製品企画の上流工程に持ち込むことができるようになりました。

 また、再現性のある手法ですので、今回参加したメンバーなら各部内でワークショップを展開することもできます。実際に、重要な施策を検討する場では今回のスタイルが用いられ、短時間で合意形成に至る成果が出ています。

 組織間の合意形成や会議の進め方に課題があれば、ぜひお試しになってください。ちなみに、今回ご協力いただいた坂本さんのチームが、ジャーニーマップを作成するワークショップを「UXアクセラレータ」というサービスとして提供されているそうなので、ご興味のある方はお問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

 さて、UXワークショップを体験したレポート記事はこの回で終わりです。次回は最終回。ファシリテーターの坂本さんによるまとめ記事を掲載します。お楽しみに!

 ここまでお読みいただきありがとうございました!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
UI/UX改善“実践”レポート連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

田中 倫太郎(タナカ リンタロウ)

rakumo株式会社 チーフデザイナー
UIデザインとアートディレクションを担当。記者、ライター、eラーニングコンテンツの開発、ニュースメディアのアートディレクターを経て、2008年より現職。因果性や仕組みに興味があります。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2016/04/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/24254

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング