ペルソナが決まったら、ジャーニーマップを作ります
ペルソナが出来たら、「補佐さん」「根回しさん」のカスタマージャーニーマップ(以下、ジャーニーマップ)を作成しました。ジャーニーマップは私を含めほとんどの参加者が、聞いたことはあるけどあまり理解していなかったものです。
今回は「会議を開催する」ときにそれぞれのペルソナがどのような行動をとるかを、アウトプットしていきました。会議の開催をテーマにしたのは、二人はいずれも内勤で、予定を登録することが多い職種だからです。
まずは自由に行動を想像して、書き出します。そして集まった意見を整理し、予定の実施前・変更時・実施中・実施後の4つのタイミングに分けました。予定のフローに合わせて言うと、キッカケ→調整→会議→フォロー、の流れです。整理したら二人の行動として適切なものに投票をします。

そして出来上がったのが以下のジャーニーマップです。行動パターンを時系列で可視化できました!

「補佐さん」が会議を開くきっかけは社長の指示です。社外での会議も少なくありません。訪問先のスケジュールを確認して参加者に候補日を提案します。あわせて訪問先への経路を調べたり、会議が終われば訪問先にお礼のメールを送ったりします。
一方、根回しさんのきっかけは自分発であることが多く、関係者の時間を管理・調整します。頻発するリスケに翻弄されることもしばしばあります。
共通している点は、2人とも会議の前段階に多くの行動が見受けられ、その行動のほとんどが関係者とのコミュニケーションである点です。
「補佐さん」「根回しさん」になりきって、課題を見つける
ジャーニーマップの作成から見えてきた特徴を含め、さらに具体的に掘り下げていきます。そのための工程が、いよいよ最後のアジェンダ「アクティングアウト」です。
聞きなれない言葉かもしれませんね。端的に言うと寸劇です。ワークショップの参加者は補佐さんか根回しさんになりきり、先に作成したジャーニーマップの会議予定を登録するシーンを体現します。

劇中のペルソナを観察することで、ジャーニーマップをより具体的に捉えられるのです。普段、何気なく行っている予定登録の作業ですが、アクティングアウトでユーザーの立場に立ってみると、予定登録の前段階にいろいろな気遣いや作業があることが可視化できました。
例えば、アクティングアウトにおいて根回しさんは、以下の流れで予定を登録していました。
- 予定参加者と会議室の空き時間を探す
- 候補日時を3つくらい見繕う
- 予定参加者に打診する
- 返事が返ってきて日時が確定する
- 予定を登録する
根回しさんのような会議を主催することが多いユーザーは、その準備段階(工程1〜4)に多くの時間を費やしているようです。
rakumoカレンダーは、ユーザーの空き時間を可視化する機能を備えていますが、これは「予定を登録する」画面(工程5)の中にあります。そのため、まず空き時間を探して確認をとったあとに予定を登録するようなケースでは、いったん予定登録画面を開いて空き時間を見てから(工程5)、候補日を探す(工程2)という、余計な操作が発生していることがわかりました。
この問題は、ワークショップでプロトタイプ作成を行い解決する予定でしたが、開催時期が開発期間に間に合わなくなってしまったので、新rakumoカレンダーのリリースからは見送られ、現在進行中のワークショップで改善に取り組んでいるところです。