完視聴率は約15%前後を達成
倉持:最後に末政様、お願いします。
末政:ハースト婦人画報社では8つの広告モデルを採用しているWeb媒体を運営しています。また広告、コマース、電子雑誌を含むデジタル事業の売上は現在、総売上の27%程度を占めていますが、将来的には50%に成長させることを目指しており、これに向けて注目したのが動画広告でした。
そして、ユーザビリティへの配慮を最重要項目としてソリューション選定を進めた結果、Teadsさんのソリューションを採用するに至りました。ユーザーが自分自身で動画閲覧をコントロールでき、動画が開きっぱなしにならず、エレガントなインターフェースで動画を訴求でき、効果も満足できるものでした。
倉持:具体的な効果について教えてください。
末政:サイトのタイトル直下に表示されるインボード広告での完視聴率は18%、インリード広告に関しても16%を記録しました。これはYouTubeをはじめとする動画再生プラットフォームでの完視聴率に引けをとらない数だと思います。くわえて、視聴を強いる動画広告ではないという点を加味すると、とても良い数値だと捉えています。
またアウトストリーム広告の面白いところに、記事コンテンツ上で動画と顧客の接点を作れる点があります。これまでは動画を見せようと思うと、特設のタイアップサイトやオウンドメディア、ソーシャルメディアに集客しなければなりませんでした。しかし、アウトストリーム広告では、そこまで誘導せずとも、違和感なく動画を見せることが出来るのです。
アウトストリームが生み出す新たなリーチ、エンゲージ
倉持:ここまで、3社の取り組みについて聞きましたが、次はアウトストリーム広告についてもう少し深掘りしていきたいと思います。
よく動画内に挿入されるインストリーム広告と比較されることが多いと思いますが、違いを比較した時、リーチ、メディア、タイミング、メッセージと4つの観点から分析できると思います。
まず1つ目のリーチは、記事コンテンツが大量に溢れている中で、幅広いリーチが格段に広がっていくという特性があります。2つ目のメディアについては、リーチと同じように掲載先の選択肢が増えるという部分です。3つ目のタイミングでは、動画を数秒間強制的に見せるフォーマットであるインストリーム広告に対し、アウトストリーム広告の場合はユーザー自身が動画を見ることを選択しないと見てもらえないという特徴があります。4つ目のメッセージについては、アウトストリーム広告の場合はコンテンツと同居して掲載されることから、文脈に合ったクリエイティブが必要です。そして、これらの厳しい条件の中で、最後まで視聴してもらえるということは、高いエンゲージが得られているといっても過言ではありません。
そこで、特にアウトストリームへの期待として大きい、新たなリーチがとれる、新たなエンゲージがとれる、この2点についてご意見をいただければと思います。
菊地:日経の届けたい情報はビジネス関連の情報です。新たなリーチに関しては、海外にいるアジアウォッチャーやジャパンウォッチャーの方々に日経が発信するアジアの情報、日本の情報を英語で読んでいただく、ということを考えています。コンテンツの言語は変わりますが、ビジネスというコンテンツの軸は変わりません。また、エンゲージに関しても、提供しているコンテンツとの親和性を意識しています。ユーザーが広告を閲覧した際に、“これ何?”という驚きを与えてはいけないので。