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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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統括編集長インタビュー

「自らの価値を言語化し、チーム一丸で突き進む」注目Fintechベンチャー・マネーフォワード成長譚


 2012年12月にリリースされた自動家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」。現在、ユーザー数は350万を超え、2016年のマクロミルの調査では家計簿利用率シェアNo.1のサービスとなるなど、継続した成長を見せている。Fintechブームの追い風も受け各メディアからの注目も高まる中、同社はユーザーに対してどのような価値を提供していきたいのか。成長の立役者たちに聞いた。

拡大するマネーフォワード

── 成長著しいとの噂を耳にしお邪魔しました。まず森さん、細谷さんの現在の役割について教えてください。どのぐらいのタイミングから関わっているのでしょうか。

株式会社マネーフォワード マーケティング部 森裕子(写真右)エンジニア 細谷直樹(写真左)
株式会社マネーフォワード サービス開発部 森裕子氏(写真右)
同 エンジニア 細谷直樹氏(写真左)

森:マネーフォワードの事業は、大きく分けると個人向けに家計簿・資産管理を支援するサービス「マネーフォワード(Web・アプリ)」の企画・開発・運営・サポートを展開するPFM(Personal Financial Management)本部と、企業向けサービスを展開する事業部の2つに分けられます。

 私の現在の役割はPFM本部を統括する立場で、約2年前に入社しました。これまで、マネーフォワードのマーケティングに関係することはすべて関わってきました。

細谷:私は約1年前に入社しました。元々は1エンジニアの立場でしたが、サービスが成長するにつれて幅広い役割を担当するようになりました。

 現在は、開発側と企画・マーケティング・カスタマーサポートなどの他部署との橋渡しをする役割も担ってます。役割のイメージとしては、プロジェクトマネージャーに近いと思います。もちろん、1エンジニア魂も、今でも持っていますが(笑)。

4年半の道のりを振り返る

── 昨年からFintechに注目が集まっています。追い風がある中、Fintech関連の注目ベンチャーという見られ方も多くなってきたのではないかと感じますが、これまでの成長過程を教えてもらえますか。

森:そうですね、Fintechという言葉が流行り出して、私たちへの注目度が高まってきたことは事実だと思いますが、そういった言葉が登場する以前から地道にサービスの改善を積み重ねてきました。これまでの成長ステップを振り返ると、いくつかのポイントがあります。

 まず1つ目のポイントは、初期に力を入れたアカウントアグリゲーション利用の推進です。アカウントアグリゲーションとは、異なる金融機関の複数の口座情報などを一元管理するサービスおよび技術のことです(参考情報)。自分が利用している銀行、証券、投資信託の口座はクレジットカードの情報を連携することで、ユーザーは一括でお金の出入りを管理することができるようになります。

異なる金融機関の口座情報を一元管理
異なる金融関連サービスの口座情報などを一元管理
お金の出入りを一括管理
お金の出入りを一括管理

 一方、そもそもアカウントアグリゲーションをするまでのファネルはどうなっていて、仮にアカウントアグリゲーションという行動までユーザーがたどりつけない場合は、何がボトルネックになっているのかを徹底的に洗い出しました。

 アカウントアグリゲーションとは何か、どんなメリットがあるのか、といった説明はもちろん、ID/パスワードを入力する怖さ、セキュリティ面に対する不安などを、丁寧でコミュニケーションで払拭しました。

 そういった活動が実ったのか、特に宣伝・広告を行うことなく、自然増でユーザー数は伸びていきました。

── なるほど。まずは、そもそもユーザーが感じる疑問に対して、丁寧に対応したのですね。特に家計簿となると、デジタル知識に疎い方もターゲット層になると思いますので、敷居を下げる努力をすることは、まず使ってもらうための第一歩ですね。

 そのとおりです。そして、次のポイントは、プレミアムサービスの開始と機能拡張です。プレミアムサービスは2013年7月から開始したのですが、おかげさまで一定のユーザーさんにご利用いただいております。その一方で、ユーザーの要望に応えようと、アレもコレもと機能の拡充にフォーカスしてしまった結果、色々な機能を詰め込みすぎてしまいました。この経験は、ユーザーが本当に欲しい機能は何かをより深く考えることが大切だと気づくきっかけになりました。

 そのような経験を通して、マネーフォワードはユーザーに対してどのような価値を提供し、どのような体験をしてもらいたいのか、サービスのあり方をより突き詰めて考えるフェーズに、差し掛かったタイミングと認識しています。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/07/08 14:31 https://markezine.jp/article/detail/24514

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