インフィード広告専門部隊を強みに
昨今、ニュースアプリやソーシャルメディアをはじめ、タイムライン型メディアでは主流となりつつあるインフィード広告。その中で特に注目を集めているのが、スマートフォン版「Yahoo! JAPAN」と、Yahoo! JAPANアプリに出稿できる広告メニューだ。
今回は、GMO NIKKOで運用型広告のクリエイティブを専門に制作している部署に所属する小倉氏と、同社でインフィード広告の専門部署で運用を行う藤原氏、ヤフーで広告代理店向けに自社の広告商材の営業を行う三上氏と玉置氏の4名に、運用を行う側とサービス提供側のそれぞれが考える、ヤフーが提供するインフィード広告の魅力を聞いた。
まず、インフィード広告に対する広告主の反応をGMO NIKKOにたずねたところ、取り扱いを始めた当初は一部のクライアントが出稿する程度にとどまっていたという。
「Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(以下、YDN)に出稿されているクライアント様が、すぐインフィード広告を活用したかというと、そうではありません。出稿が進まなかった要因としては、専用のクリエイティブを用意できないことが挙げられます」(小倉氏)
インフィード広告専用のクリエイティブを独自に用意できないクライアントが多かったことを受け、同社はクリエイティブのリサイズの対応を開始。これに伴って出稿ニーズも増加したため、クリエイティブの内製も含めた、インフィード広告専門の部署を同社は設置した。
「専門部署を立ち上げたことで、PDCAを速く回せる体制が整いました。タイムライン型のメディアの場合、配信開始後の獲得単価が高くなってしまう側面があり、素早い改善は必須になります。ですので、PDCAを早く回して対応できることは大きなメリットになります」(藤原氏)
広告効果を高める、GMO NIKKOの運用ノウハウ
現在GMO NIKKOでは、以下4つのノウハウを活用してインフィード広告を運用しているという。
1. 事前のインサイト分析は、国全体のデータや專門誌などからのファクトベースで
2. クライアントとのリレーションを重視
3. 上記1.と2.を加味したロジカルなクリエイティブ作成
4. 媒体の枠にとどまらない独自の指標の提示
1点目に関しては、広告制作時にクライアントのウェブページを参照するのみならず、政府の出している統計データや専門雑誌を用いてインサイト分析を欠かさないという。
「他のコンテンツの間に自然と馴染む形で表示されるインフィード広告は、その商材の認知促進だけでなく興味関心の創出にもつながるため、商材分析にとどまらず、様々なファクトを元に閲覧ユーザーがどんな興味をもっているかを深掘し、インサイト分析することが効果につながります」(藤原氏)
2点目について、「商材のことを最も理解しているのは、クライアント自身」と藤原氏は語る。商材が持つ本質的な価値をクライアントとともに導き出すことが、効果的な訴求につながるのだという。
そして3点目に関しては、インサイト分析と商材が持つ本質的な価値を掛け合わせ、認知を促進するのか、またはコンバージョンの獲得を重視するのか、目的を明確にしたクリエイティブを作成するという。
4点目の独自の指標については、施策の結果、コンバージョンにつながったかどうかだけを見るのではなく、獲得以外の指標も見るようにした方が良いという。例えば同社では、滞在時間や新規UU(ユニークユーザー)数など改善につながるデータを分析、提供している。
レポーティングとデータ配信はツールで最適化
また同社では先述のノウハウを活かした運用に加え、同社が提供するツール「GMO MARS」を活用したレポーティングとデータ配信によって効果の最適化を行っている。
レポーティングについては、広告管理ツールである「GMO MARSアナリティクス」がAPI連携している媒体の配信データを、BIツールを活用して分析・ビジュアライズし、直感的に理解しやすいようレポーティングしてクライアントへ提供している。
これにより、クライアントのみならずGMO NIKKOでも広告効果を分析しやすくなり、数値の比較に閉じない、クリエイティブやユーザー導線までイメージした質の高いアウトプットがクライアントに対して可能となったという。
データ配信については、同社が独自開発した「GMO MARS DMP」を用い、クライアントが保有するファーストパーティーデータを活用することで、商材とより親和性が高い新規ユーザーへのリーチを拡大していく取り組みを展開している。
「この取り組みを、Yahoo! JAPANのインフィード広告の特徴も活かした新規施策と据え、新規顧客を取り込み、業界のシェアを拡大していくことをミッションとするすべてのクライアント様へ積極的にご提案しております」(藤原氏)