テクノロジー面での進化は今一歩
── テクノロジーの側面から見ると、スマートフォン広告はどのように進化をしてきたのでしょう?
残念ながら、スマートフォン広告におけるテクノロジーは、当初市場全体が期待していたほどは革新的に進化しているとは言えません。その理由はスマートフォンにはPCと違ってアプリがあり、アプリ広告のターゲティング技術の進化がまだ乏しいと思っています。
進化が乏しいと感じる主な理由は3つで、1つ目はWebとアプリ間でユーザーデータが分散してしまっていたこと。2つ目は、App StoreとGoogle Playというプラットフォームの制約上でしかデータを活用できないこと。最後は、単純にデータを所持している企業が少ないことに問題がありました。
これが、DSPやSSPを中心としたRTB・プログラマティック領域の事業者が思ったように伸びてきていない要因だと考えています。
最近では、Criteoさんがアプリに対するプログラマティック領域に取り組み、積極的に技術開発を進めているようですが、もっとこのあたりの技術革新が進んでくると、Web同様にアプリでのRTB取引がより積極的に使われるようになって、広告単価の上昇や効果の底上げなどが期待できると思っています。
新規ユーザー獲得施策✕ユーザーの呼び起こし施策
── 今CyberZが一番力を入れていることは?
いま私たちが一番力を入れている領域は、リエンゲージメント広告です。これまでのスマートフォン広告市場は、アプリ広告といえばリワード広告やアドネットワークの運用で、新規ユーザーを獲得するための手法が主流でした。
言い換えるならば、膨大な予算を使って、新規ダウンロード数を獲得していくところに重点が置かれていたわけです。このやり方は多くの広告予算を持っているお客様では可能だと思いますが、一方で、そうではないお客様にとっては非常に厳しかったとも言えるわけです。
そこで、過去にアプリをダウンロードしたが、今ではそのアプリを使ってないユーザー、もしくは過去にアプリをダウンロードしたが、アプリの起動率が低下しているユーザーなど、すでにタッチポイントがあるユーザーに対して、もう一度そのアプリを使ってもらうための施策、いわゆる呼び起こしを行います。
F.O.Xを利用すれば、お客様のアプリがいまどのような状態にあるのかを多角的な視点から診断することができるので、離脱してしまいそうなユーザーを留めたり、離脱してしまったユーザーを効率的に呼び戻したりことができます。
