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ライターを消耗させるな! 『ジモコロ』運営陣が考える強いオウンドメディアの作り方

数値指標だけで満足して、インパクトを出せなければ意味がない

MZ:とはいえ、企業のやることですから数字も求められるかと思います。その点いかがですか?

柿次郎:あまり岡安さんから数字のことはいわれないですね。もちろん、どれだけ記事が読まれたかなどはチェックしていますが、マーケティングやSEO観点でどうこうという話は比較的少ないです。

ジモコロ編集部(株式会社バーグハンバーグ内)編集長 徳谷柿次郎氏
ジモコロ編集部(株式会社バーグハンバーグ内)編集長 徳谷柿次郎氏

岡安:記事ありき・柿次郎さんの哲学ありきで進めて、その結果から振り返ればいいと考えています。今、MarkeZineさんは数字のことを質問されましたが、これって、デジタル施策になるとマーケターや代理店が「CPAがこれだけ下がりました、前年比120%です」といった細かい数字ばかり追いがちな証拠だと思います。

 ウェブ広告は結局のところ部分最適でしかなくて、経営全体にはインパクトを与えていないという話は珍しくないじゃないですか。例えば、「クリエイティブをABテストした結果、こちらのほうがCVR80%アップすることがわかりました」と声高に言っても、ぜんぜん違うクリエイティブにしたら段違いの効果が出せるかもしれない。

 マーケターはマーケットにインパクトを与えることが仕事です。本来ならば広告をするなら、何千億という売り上げにコミットできるようなクリエイティブを出すために向き合わないといけない。けれど、ウェブになった瞬間に数値指標だけで満足してしまう。だから、そうならないためにもインパクトのあるバーグさんと一緒にコンテンツを作りたいと考えた部分もありますね。

柿次郎:そもそもバーグは「とにかくいいもの面白いものを作っていたら人は集まる」を研ぎ澄ましてきた会社。だったら、そのやり方でやるのが一番いいという理解が初期段階からお互いにありましたね。

メディア運営では援護射撃がマーケターの仕事

MZ:今の話を聞いて、他社では真似できないことをされていると感じました。

岡安:いえいえ、特別なことをしているわけではないですよ。メディアの作り方に企業が寄り添えばいいんです。いわゆるオウンドメディアの場合、例えば「●●業界の案件を取りたいから、●●業界を取材してくれ」という案件ベースでの発言が出てくることも考えられます。ジモコロではそういうことはいわないで、知的好奇心がくすぐられるもの・好きなものを取材していきながら結果を出せるようにしています。このスタンスがあればよいかと。

柿次郎:オウンドメディアだけではなくて全体的に、編集者がいない状態で始めるウェブメディアが多すぎるような気はしますけどね。新しい情報を取ってくるでもなく、既知の情報をつまみ食いした記事を月に20〜30本作って、そこそこPVを集める。そんなメディアがあふれていると思うんですよね。便利は便利なんですけど。

 一方、ジモコロは現地に飛び込んで、ずんずん深いところに踏み入って、それを記事にする。量産型のメディアから見たら手の込んだことに映るかもしれないけれど、これは普通のことで。本来、編集やライターは世間に対してドヤ顔したい生き物じゃないですか。「こんな情報あるぞ、ドヤッ」みたいな。その本能的な部分を活かして真っ当なメディア作りをしているだけだと思います。

 もちろん、アイデムさんという心強いパートナーがいて、信頼してもらえているから実現できている部分はありますが。

岡安:そういう意味では、柿次郎さんにメディアを動かしていく部分をお任せして、こちらではメディアを継続していくための社内調整はしていますね。例えばいつでも会社に数字を報告できるように、メディア立ち上げ時からDMPを導入して、すべてデータ化しています。援護の仕組みはすべて整えていますよ。メディア運営における私の仕事はそこだと思っています。

柿次郎:わっ、すごくカッコイイ!

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この記事の著者

伊藤 桃子(編集部)(イトウモモコ)

MarkeZine編集部員です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/08/05 08:00 https://markezine.jp/article/detail/24848

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