アンルーリーは、7月29日、動画広告に対する消費者の感情反応トレンドや企業の動画広告トレンドのインサイトを把握できるダッシュボード「Unruly Pulse(アンルーリー パルス)」のベータ版を発表した。現在、英国、米国、フランス、ドイツ、北欧、東南アジア、および日本における利用が可能だ。
「Unruly Pulse」は、アンルーリーのファーストパーティ・データを使用し、欧州、中東、アフリカ、アジア、北米、中南米の数千の動画に対する、50万件以上の消費者の反応を視覚化したもの。これを活用することで、マーケターはデモグラフィック、国、地域、企業業種別に、どの感情がエンゲージメントに影響を与えたかを把握できる。また個別の広告を分析し、同業種の動画パフォーマンスと比較することも可能だ。
同社 日本代表取締役の香川晴代氏は、「これまで日本において、配信前にソーシャルメディアでの拡散を予測できる動画コンテンツ評価ツール『ShareRank』や、動画配信プラットフォームの『Unruly Activate』を提供してきましたが、今回の『Unruly Pulse』の提供開始により、マーケターのコンテンツ戦略の意思決定をさらに支援することができれば。日本でもデータを駆使した動画コンテンツ・マーケティング施策を、クリエイティブを基点に一気通貫でプランニングを進めていくことが可能になります」と語った。
過去10年間の学術研究や業界調査では、感情的な広告戦略が、ブランド好感度、購買意向、アーンド・メディアなどブランドや企業の様々なKPIに効果をもたらすこと明らかになってきた。しかし、日本の消費者に限っては事情が異なり、広告主は消費者と感情的なつながりが持てていない現状がある。
例えば「Unruly Pulse」のデータから、「日本人が動画を見て抱く感情の平均は、世界よりも低い」傾向が明らかになったという。これに対して「このデータから、日本人は動画をみてあまり心を動かさないのか、それとも見ているコンテンツの問題か、と聞かれることがよくあります。欧米ではすでにウェブ用の動画が日本よりもたくさん出回っていることもあり、これは後者、すなわちコンテンツの課題と言えます。今後、日本のブランデッドコンテンツの動画がよりウェブに適したものになっていくことで、同時にターゲットの心理反応を意識してコンテンツ作りを進めていくことで、マーケターにとっては大きなオポチュニティがあるはずです」と香川氏は見解を述べた。
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