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動画ツイート経由のCVRは静止画の2倍!女性向け恋愛ゲーム「イケメン」シリーズのTwitter活用術

 サイバードは、運営する恋愛ゲームアプリの新規ユーザー獲得にTwitterのMAP(モバイルアプリプロモーション)を活用。動画を中心にしたクリエイティブの投下で効果を出し続けている。Twitterで読み飛ばされない動画づくりの工夫など、詳しい話を同社の竹内諒多氏、周藤麻理氏、および、実運用を担当するグリーアドバタイジングの二又雅志氏、鈴木瑠美氏に取材した。

人気女性向け恋愛ゲームのアプリプロモーション戦略

 サイバードは情報サービスや各種ツール提供から海の家の経営まで幅広く行うコンテンツ事業と、今回紹介する女性向け恋愛ゲーム「イケメン」シリーズなど多数のスマートフォン(以下、スマホ)ゲームアプリを制作運営するゲーム事業を展開している。周藤氏と竹内氏は、これらコンテンツのネットプロモーションを担当している。

右端から、株式会社サイバード リードマネジメント統括本部ネットプロモーション部周藤麻理氏、同 竹内諒多氏、グリーアドバタイジング株式会社Media Relations Team二又雅志氏、同社鈴木瑠美氏
右端から、株式会社サイバー ドリード マネジメント統括本部 ネットプロモーション部 周藤麻理氏、同 竹内諒多氏
グリーアドバタイジング株式会社 Media Relations Team 二又雅志氏、同 鈴木瑠美氏

 グリーアドバタイジングは、マーケティングパートナーとしてクライアントのアプリプロモーションを、国内外問わず多角的に支援している。二又氏と鈴木氏はTwitterを含むSNSの広告運用を担当するメディアリレーションチームにおいて、フロントに立ちサイバードとのやりとりを行い、実際のキャンペーン運用を担当している。同社は海外を起点に4年前から動画広告に注力。サイバードのプロモーション戦略においてもTwitterを動画施策の重要メディアとして位置づけている。

「女性向け恋愛ゲーム」のプレイヤー候補を探すために

 2014年からTwitterへの出稿を行っているサイバード。周藤氏はTwitterの魅力を次のように語る。

 「Twitterの利用者は、10代や20代が大変多く、彼等はスマホやアプリに対して非常にポジティブです。自分の趣味の情報収集だけでなく、情報発信にも積極的で、それはゲームアプリにも当てはまります。Twitterは、長くゲームを遊んでいただけるお客様を多数集客できる、欠かせないプラットフォームです。女性向け恋愛ゲームにも同様のことが言えます。」(周藤氏)

 特に、ハンドルでターゲティングができる点が大きいと竹内氏。女性向け恋愛ゲームは、利用者が限られている。そもそも、男性に比べ女性のゲームプレイヤーの母数が少ないうえに、その中で恋愛系が好きとなると、狭き門だ。

人気女性向け恋愛ゲーム「イケメン」シリーズ
人気女性向け恋愛ゲーム「イケメン」シリーズ

 だがTwitterではミスマッチが少なく、情報を提供できるという。「単純に恋愛ゲームが好きな顕在層だけでなく、潜在層や興味を持ってくれそうな方々にアプローチができます。例えば、アニメや声優、2.5次元俳優などゲームと相性が良さそうなジャンルが好きな方々をターゲティングできるので、より多くの利用者を集めることができています」(竹内氏)

 実運用を行う立場から見ても、TwitterのMAP(※)が広告主の目的達成に最も相応しいと二又氏は語る。

 「一番大きなメリットは、周藤さんがおっしゃるように利用者の規模です。加えて獲得率が高く、費用対効果も良く、さらに効果検証目的にも使える。柔軟な対応を実現しながら、パフォーマンスを最大化させられるため、我々はTwitterをメインに展開しています」(二又氏)

 MAP(モバイルアプリプロモーション)とは

 通常のツイートと異なり、ツイート内にボタンを設置し、利用者をアプリストアに直接誘導ができるサービス。通常のプロモ商品と同様に、趣味や興味関心といったインタレストグラフに基づいたターゲティングが可能。従来は画像のみだったが、今は動画を埋め込むこともできる「ビデオアプリカード」が使える。

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動画施策に注力した3社体制で、スピーディーな運用へ

 普段の運用については、主にターゲットとクリエイティブの監修をサイバード側が行い、実際の細かな運用やキャンペーン設計、見直しなどをグリーアドバタイジング側が行っている。さらに、Twitterからは随時、新手法や他社の取り組み等の情報を吸収し、取り組みにも反映させているという。

 「グリーアドバタイジングさんから、ターゲットのご提案をいただくこともありますが、当社からもここを狙いたいというリクエストを出して、ハンドルを探していただいています。クリエイティブも同様。相互にかなり密なコミュニケーションを取りながら運用しています」(周藤氏)

 「先程申し上げたとおり、当社はTwitterのモバイルアプリプロモーションを重視しており、そのための社内体制にも注力しています。メンバー間の知識共有はもちろん、各自が案件で裁量をもって運用することで、最大限のパフォーマンス出せるようにしています。中でも、特に力を入れているのが動画広告です。制作チームを特別に設置して、様々な動画メディアを横断して分析し、Twitter広告のクリエイティブの最適化を進めています」(二又氏)

ROASは静止画に比べて200%以上、動画の持つポテンシャル

 MAP施策の中でサイバードが特に注力しているのが動画だ。その理由は、静止画に比べて圧倒的に多い情報を伝えられる点にあるという。

 「情報量が多ければ、それだけアプリの魅力を伝えられます。さらに、動画を見て面白そうだと思ってくださる方々なので、アプリをダウンロードするだけでなく、ちゃんと遊んでくれる。クリエイティブ経由のCVRに関して、静止画より動画の方が平均で200%高く、もともとCVRが高かったものでも160%向上する例も出ています。また、ROASは静止画に比べて200%~300%も向上した例もあり、サイバード様の広告に限らず、非常に良質な利用者を運んでくれていると言えます」(二又氏)

Twitterで読み飛ばされない動画クリエイティブの要素とは

 動画は静止画と違って再生に時間がかかる。スピーディーにスクロールされがちなTwitterにおいて、見られずに飛ばされる可能性はないのだろうか。

 「確かに、CTRが上がりにくいからMAPで動画はやめておこう、と考えるクライアント様もいらっしゃいます。ですが、それはちょっとした工夫で改善が可能です。その点は運用面でカバーしています」(鈴木氏)

 例えば、「イケメン」シリーズの場合なら、具体的なゲームのシナリオや、イチオシのゲーム画面やスチール、また、実際にどんな操作をするかわかる画面などの情報を出す順を工夫している。

 「動画は15~30秒と長いので、一瞬のスクロールで流されてしまう可能性があります。そこで、最初から最後までお客様の興味を引くおもしろい展開を模索しています」と周藤氏。実際に効果があったケースをいくつか教えてもらった。

キャラクター→ゲーム画面の展開で惹きつける

 冒頭でキャラクターのイラストを登場させ、興味を惹き付けてからゲーム画面を流す展開がベストだという。反対にイラストだけだったり、ゲーム画面を最初に見せたりする動画での反応は芳しくないそうだ。

動画の再生スピードは通常の約2倍

 動画のスピードは目で見て理解できるギリギリの速さに設定しているという。同社が利用している動画は通常のPVとしても利用できるように、60秒程度の尺で制作している。その再生スピードを約2倍にして配信することで、情報量が多くともTwitterでの視聴に耐えられるようにしているのだ。

サムネイルは必ず目を惹く画像を入れる。

 動画は画面をタップしてから再生されるまでに若干のタイムラグが発生する。その一瞬の間にスクロールされないように、サムネイルにはTwitter利用者の目を惹きつける画像を用意しているという。

 動画クリエイティブの改善は、手元にあるアセットをどれだけブラッシュアップするかを念頭に置いている。

 「動画は1本作るだけでも大変ですし、検証後に新しいものを作成しようとしても時間が必要です。ですから、“倍速で再生したら、効果が変わるのでは?”“今度はそれを組み合わせてみてはどうか”“このコマの順番を変えてみたらどうなる?”など、スピーディーに対応できるものを探しています」と周藤氏。クリエイティブの入れ替えは、早いものであれば隔週で行っているという。

意外な人が恋愛ゲームをしてくれる! Twitterで見つかる新しい接点

 アプローチをする相手も幅を広げているという。「既存ターゲットだけに向けたマーケティングを続けていては効果が落ちてきます。できるだけ新しく層を広げて、ゲームに合う利用者を見つけていきたい。ですからアプリの利用者に合いそうな様々な軸を試して拡張しています」(鈴木氏)

 新たなターゲットを広げていくと、アニメやマンガなど相性の良い太い軸だけでなく、意外な軸から多数の利用者が見つかるケースもある。「私たちのゲームを楽しんでくれるお客様の嗜好が新たに発見できるんです。ここから他の広告展開も検討できるので、これはTwitterの大きな強みですね」(周藤氏)

Twitterの拡散力をさらに活用していきたい

 現在、新規獲得を目的にMAPを活用している同社だが、今後はクロスマーケティングを視野に入れ、他メディアとの連携もとっていきたいという。

 「Twitterの拡散力は大きな魅力。ファンのみなさんに広告以外のツイートでも、ゲームの良さを伝えてもらうことができたら、さらにサービスを成長させられると思います。そのためにTwitter単体ではなく、テレビCMなどを絡めた取り組みも視野に入れていきたいですね」と竹内氏・周藤氏は意欲を見せる。

 「Twitterの使われ方は日々変化しています。Twitterさんは利用者の行動に合わせて、新しいサービスをリリースされている。私たちは、サイバードさんはじめ、クライアント様のニーズに合わせて、それらを積極的に取り入れてパフォーマンスを最大化させていきたいです」と二又氏・鈴木氏もさらなる支援強化を見据える。

 サイバードとグリーアドバタイジング、Twitterの今後の取り組みにも引き続き注目したい。

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター 出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2016/10/31 08:00 https://markezine.jp/article/detail/25290