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MarkeZine Day 2016 Autumn レポート

ANA、freee、ワコール、先進3社の試行錯誤から学ぶ、動画マーケティングのリアルと可能性

社内説得:突っ込まれどころは、効果測定、予算、制作期間

小野:今回はテーマが3つあり、まずは「動画施策を始める際の社内説得のリアル」となります。新しい施策のため、社内で共通認識を持つのも大変かと思いますが、鬼山さんいかがでしょうか。

鬼山:やはり誰もが気にするのが効果測定ですね。特に動画はどうやって効果を測るのかがわかりにくい。定性評価、定量評価を社内向けに説明しています。定量評価については、視聴回数、完全視聴回数、それにLPへの遷移数。特にスマートフォンは他のデバイスに比べて接触時間が長いため、ここをキーに様々な施策を試そうといった話をしています。

岡田:弊社はスタートアップなので、承認や社内の説得といった悩みはあまりなく、どちらかというと、リソースが限られている中でどこまでやるのかなどが議論の対象になります。動画はやはり作るのに時間がかかるので、その分の価値が生まれるのかといった話し合いはよくありますね。

北見:社内説得の前段階になるのですが、実は私自身、2015年に動画で2回ほど失敗していまして、正直やりたくないと思っていました。理由は、岡田さんも仰ったように予算と制作時間がかかる点にあり、従来のバナー広告なら作って回してのPDCAが速いので、悪ければすぐに改善できる。

 しかし時間をかけて動画を作り、それがダメだった時は辛いんですよね。しかし決まったからには入念に調査をし、アイデアをきっちり練り込んで社内に提案したため、今回の企画は割とすんなり通りました。

失敗・反省:経験不足、自己満足、Web動画はならでは

小野:2つ目のテーマは「動画施策における失敗・反省」です。動画施策はまだまだ未開拓の手法のため、失敗や学びも多かったのではないかと推測されますが、みなさまいかがでしょうか。

鬼山:CM制作経験の乏しさは、日頃から痛感しております。たとえば打ち合わせの際、絵コンテで説明を受けるのですが、そこからどんな動画ができるのか想像できない。

 これまで制作した動画は、結果的に期待以上の出来となっているので助かっていますが、いまだに課題ですね。あとはキャスティングです。役者さんやタレントさんは契約期間があり、それを過ぎるとサイトや広告などすべて使えなくなります。当初、そういった事に意識が薄く、様々なプロモーションで制作した動画を使いたいと思った時に使えず、苦労しました。

岡田:「会計ソフトは難しいイメージがある」というのは以前からの課題で、それをどうやってわかりやすく説明するかを模索していたのですが、振り返ると自己満足で終わってしまった動画もありました。見た目もきれいで見やすく、すごくアピールできた、というところで終わってしまった。そういった動画は再生されません。あとはFacebookを甘く見ていたなと。Facebook上でこれほど動画が一般的になると予想していなかったので、もっと最適化されたもの、たとえば字幕を付けたり、短尺にした動画などを制作しておけばよかったかなと思っています。

北見:Web向けの動画制作は、バナー広告でもなければ、テレビCMとも違う。なのに、ついついどちらかによった意識で取り組んでいたところがありました。バナー広告のように素早くPDCAは回せないし、テレビCMのような規模で作ってしまうとそこばかりにお金がかかって、他のところに費用を回せない。Web動画は、どちらとも完全に違うものだというのは、失敗から学んだことですね。

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可能性:VR、ファン獲得、情報量の多さを活かす

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この記事の著者

渡邊 徹則(ワタナベ テツノリ)

株式会社Version7代表取締役。Web・コンテンツ制作、分析、マーケティングなどを手掛ける。
執筆業では、主にソーシャル、EC、海外サービス、メディアなどが専門。
会社概要 - seven@ver7.jp - Twitter/Facebook @brigate7

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/10/28 10:00 https://markezine.jp/article/detail/25312

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