SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

カスタマージャーニー研究プロジェクト(AD)

“お客様の好みを軸に今を捉え、長く美を支える” 資生堂「ワタシプラス」の伴走型マーケティング

顧客基点にブランドの軸を加え、シナリオを作成

 シナリオベースのメールとは、具体的にどういうメールを指すのか。

 「大量配信を助長した背景には、キャンペーンなどの企業視点でのメールが多くなっていったことがあります。改めてお客様目線に立ったシナリオを設けて、配信タイミングや情報の出し分けを行おうと考えました」(吉本氏)

 そこで、踏み込んだ改善に舵を切るために、2015年7月からMarketing Cloudを導入。シナリオ配信を自動化した。

 「Marketing Cloudは、海外での確かな実績に加えて、LINEに対応している点が大きな決め手で採用しました。メールに限らず、状況に応じた顧客とのタッチポイントを探りやすくなります。メール、LINE双方の配信を効率化し、かつ効果の向上をはかりました」(吉本氏)

 さらに、2016年からはブランド基点で新たなチャレンジを始めている。

 「2015年までは、顧客基点をベースにしながら、延長線上にECの売上向上、実店舗への送客といった直接的な売りに関わる活動が私たちの主な業務でした。そこから、顧客基点に各ブランドという軸を加え、お客様にとって最適・最良なブランド体験を継続的に提供する方針に変わったのです。その実現には、Marketing Cloudの機能性が不可欠です」(徳丸氏)

お客様の今を捉える「モーメント」と4つの軸

 顧客目線に各ブランドの視点を加味した方向性に対して、実際に資生堂が取り入れはじめたのが「モーメント」という考え方だ。資生堂が呼ぶモーメントとは、「今、お客様が何を考えているのか」。このモーメントを捉えるために、ワタシプラスの閲覧ログのほか、サンプル申し込みなどの行動ログ、購入ログ、ワタシプラス以外の資生堂が運営するサイトでの各種ログなどを分析するという。

 「注意しているのは、直近の行動だけを見ていてもお客様を知ることは難しいということです。既に商品は使用されていて、より良い使い方を知りたいのか、初めての訪問で情報を深く見ているのか。過去と現在のデータ掛け合わせて、お客様一人ひとりの今(モーメント)を推測したいと思っています」(吉本氏)

 実現の前提として、ワタシプラス以外の資生堂のWeb会員、店頭会員のユーザーIDなどサイロ化したデータを統合し、ユーザーの好みや優先順位についての管理を実践しており、これをユーザー・プレファレンス・マネジメントと呼んでいる。ワタシプラス会員でも資生堂以外の他社ブランドや製品を比較・検討している状況までも含めて、より実状に近い状態で把握できるように、ユーザーのプレファレンス(好み)を次の4つの軸で管理しているという。

  • ユーザー属性などのデモグラフィックデータ
  • ブランドの好み
  • 美容への好みや悩み
  • 購入チャネル/利用デバイス

 「たとえば、ECサイトの詳細ページまで遷移しながら購入しなかったお客様に対して、過去の行動履歴を参照します。購入履歴があればキャンペーンAを、購入履歴はないけれど特定ブランドの好みがはっきりしていればキャンペーンBを、両者がなければキャンペーンC、もしくは無理に訴求しない等、モーメントに合った訴求を行います」(吉本氏)

資生堂の「伴走型マーケティング」を支えるテクノロジーとは?

 顧客のモーメントを捉え、長く関係を築こうとしている資生堂。同社を強力にサポートするMarketing Cloudは、具体的にどのように機能しているのでしょうか?

 現在、Marketing Cloudの製品デモ動画を公開中です。記事とあわせてぜひ、ご覧ください!動画はこちらから。

次のページ
モーメントを活かしたクロスチャネルの活用

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
カスタマージャーニー研究プロジェクト連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加藤 希尊(カトウ ミコト)

チーターデジタル株式会社 副社長 兼 CMO 広告代理店と広告主、BtoCとBtoB両方の経験を持つプロフェッショナルマーケター。WPPグループに12年勤務し、化粧品やITなど、14業種において100以上のマーケティング施策を展開。2012年よりセールスフォース・ドットコムに参画し、日本におけるマ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

遠藤 義浩(エンドウ ヨシヒロ)

 フリーランスの編集者/ライター。奈良県生まれ、東京都在住。雑誌『Web Designing』(マイナビ出版)の常駐編集者などを経てフリーに。Web、デジタルマーケティング分野の媒体での編集/執筆、オウンドメディアのコンテンツ制作などに携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2016/12/01 13:52 https://markezine.jp/article/detail/25595

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング