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COLUMN

セレブ×YouTuberのコラボコンテンツが新たな価値を生み出す【YouTuberビジネス未来予想】


ケーススタディ:StyleHaul

 一方、StyleHaulという世界最大のビューティーMCNのアプローチも非常に興味深いものがあります。

 彼らもAwesomeness TVと同様にいくつかのオリジナルコンテンツをYouTubeやgo90で配信していますが、StyleHaulの戦略と他のMCNの大きな違いは、ハリウッドスターやTV業界のトラディショナルな「セレブリティ」と彼らのネットワークに入っているトップYouTuberの「ネットタレント」を組み合わせてキャスティングすることです。

 上記の写真の人々をみたことありますか?

 一番左の男性はMilo Ventimigliaという、日本でも大ヒットを記録したドラマ「ヒーローズ」の主人公を演じた人気俳優で、一番右の男性も最近「The Following」というサスペンス系のドラマでKevin Baconと共演していました。

 彼らのような人気俳優と共に3人のStyleHaulのYouTuberが「Relationship Status」という作品に出演していて、またこの作品はgo90上で大ヒット。2016年のエミー賞にノミネートされていました。ちなみに、上記の写真はgo90での配信がスタートした日のイベントのレッドカーペットの様子です。

 StyleHaulがYouTuberとハリウッドスターをキャスティングして、数億円を超える制作費を投じたドラマを作ることができたきっかけは、ハリウッドの世界で多くのコネクションを持つプロデューサーがStyleHaulに興味をもって、彼らに「Relationship Status」の企画を持ちかけたということでした。

 そのおかげでハリウッドのスタジオやプロダクションのノウハウをもっているたくさんの人々とのコネクションが生まれ、今ではStyleHaulの社員の中にアカデミー賞やエミー賞の受賞歴のあるスタッフが在籍しています。

オリジナルコンテンツへの投資が進む

 これまで述べた2社だけではなく、ゲームカルチャーのコンテンツに特化したMachinimaのように一つのジャンルのフォーカスしたMCNやFullscreenのような8万人ものオールジャンルのクリエイターを抱えている大規模なMCNも、様々な形でオリジナルコンテンツへの投資を行っていて、YouTube以外の動画プラットフォームにも進出しています。

 Fullscreenは2016年に、自社のオリジナル番組やPodcast、FullscreenのパートナーMCNのコンテンツや一部のテレビドラマ、YouTubeの動画や古い映画などを視聴できるアプリ「Fullscreen」(月額600円)を提供し始めました。他のプラットフォームへの提供に留まらず、さらに次のステップまで進んでいます。

 こちらの記事で紹介したラップバトルの動画ですが、ラップバトルで使われた楽曲はiTunesで販売されて、一つの動画から複数のコンテンツプラットフォームでマネタイズされている事例と言えます。他にも数え切れないほどの事例がありますが、一言で言うなれば「クリエイター」よりも「コンテンツ」でビジネスをしているのは、世界のトップMCNの共通点ということです。

 次回は、コンテンツ以外の収益を上げている動きについて紹介します(前回記事はこちらから)。

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この記事の著者

高田 順司(タカタジュンジ)

UUUM株式会社取締役。
音楽雑誌「CDジャーナル」の編集者を経て2007年、株式会社ミクシィ入社。「mixiラジオ」「mixi公認アカウント」「mixiページ」などのコンテンツサービス企画に従事した後、 2013年にKDDI株式会社入社。音楽配信サービス「LISMO」「うたパス」などの企画、編成を担当しながら、 2...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

Rene Paulesich(レネ・パウレズィヒ)

UUUM株式会社グローバルオペレーション担当。
任天堂株式会社で「ゼルダの伝説:スカイウォードソード」や「ゼノブレイド」など多数のヒットタイトルの欧州版ローカライズに従事した後、株式会社スパイシーソフトでプロデューサーとして「チャリ走」シリーズを担当。2015年にUUUM株式会社に入社し、クリエイター育成ネットワーク...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/11/29 15:54 https://markezine.jp/article/detail/25643

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