MicrosoftによるYahoo!買収の目的は、これ以上オンライン広告市場でGoogleの優位を許さないという決意の表れだ。米調査会社Nielsenが発表した、2007年12月時点の全米トップサイトと検索エンジンのトップサイトのランキングデータをもとに買収後の情勢を予測してみよう。
まず、ユニークユーザー数で全米のトップサイトを運営会社別に見ると、2007年12月時点では上位3つのサイトは以下のような僅差となっている。これを見るだけなら、MicrosoftによるYahoo!買収が実現すれば、両陣営が最大勢力となるのは確実となる。
サイトとしての集客力は接近しているものの、検索市場におけるシェアを見ると、2007年12月時点での米国市場シェアは以下のようになっている。カッコ内の数字は検索件数、パーセンテージはシェアを表している。
1位 Google Search (40億6,253万件)56.3%
2位 Yahoo! Search (12億7,376万件) 17.7%
3位 MSN/Windows Live Search (9億9,589万件) 13.8%
4位 AOL Search (3億3,976万件) 4.7%
5位 Ask.com Search (1億5,952万件) 2.2%
今回のMicrosoftによるYahoo!買収提案が実現した場合、検索市場におけるシェアはGoogle56.3%に対して、MicrosoftによるYahoo!両陣営のシェアは31.5%。Googleとの差は依然として24.8%もある。オンライン広告はユーザーの検索行動と密接に結びついている以上、この差は縮まったとはいえ、小さいものとは言えない。
今回の買収が実現すれば、サイトの集客力では両陣営が最大勢力となる。しかし、検索と連動したオンライン広告市場におけるGoogleの優位は、この検索市場におけるシェアを見る限り、そう簡単ではさなそうだ。Microsoftがこだわっているオンライン広告市場におけるGoogle追撃には、Yahoo!の買収が絶対条件であり、そこから本当の戦いが始まるといえそうだ。
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