利用者像やニーズを明確にしたいなら、断然Twitter
森氏がTwitterに目をつけた理由は何か。利用者のニーズがツイートに明確に現われ、ターゲティングに活かせること。さらに他のSNSよりもリアルタイム性が高いからだという。そのTwitterのデータについて、西澤氏は次のように評価する。
「Twitterは特定のアカウントごとに発言を追っていくことができるため、データから利用者像をリアルに描き出せます。ですから、アルバイトを探しているユーザーの発言を時系列で追うことで、“アルバイト探しのニーズが発生するタイミング”の特徴を捉えることが可能だと考えました」(西澤氏)
実際に使ったデータソースは、Twitterの日本語データ全量。Twitter利用者のデモグラフィック情報や趣味嗜好情報を、ツイート内容などから分析し提供するサービス“ユーザープロファイルDB”を活用して、アルバイトを探している利用者の趣味嗜好、性別、年代など特性を洗い出し、ターゲット層を明確にした。
「アルバイトを探している層には学生さんとそれ以外の方がいて、発言傾向がかなり異なります。アカウント単位でツイート分析をしたり、学生の中でアルバイトを探している人とそうでない人を比較したりして、発言の傾向を捉えていきました。さらに言語解析で、どのような単語が使われているのかを調べ、より特徴的な単語を捉えていきました」(西澤氏)
結果、従来のターゲティングで想定されていたキーワードだけでなく、机上で考えるだけでは思いつかないものや、アルバイトを探す利用者ならではのコミュニケーション系の単語が見えてきた。
「それは予想を裏切る斬新な結果でした。たとえば、真面目に勉強を頑張っている方は、あまりアルバイトには興味がないイメージだったのですが、アルバイトを探している人の分析結果には意外と勉学に関連するキーワードが多く挙げられていました」(森氏)
不安になるほど、予想を裏切るキーワード……
分析の結果が出たら、実際に広告の配信に落とし込んでいく。まず、NTTデータが分析したキーワードから、より効果的だと思われるものを200〜300ほどピックアップし、プロモツイートで配信。そして、広告への接触者と非接触者で、どのような態度変容があったか、ブランドリフトが起きたかを調査した。
『遊びやデートに…お金が…』
— アルバイト「an」|アンドーくん (@weban) 2016年9月2日
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「ロングテールを探すというマーケット的な狙いもあり、ターゲティングに使用するキーワードは、母数は少ないが実際にアルバイト探しをしている率が高そうな利用者向けのものと、ツイートの絶対量が多いもの、つまり質と量の2軸で選びました。」(森氏)
広告配信を見据えると、精度が高くてもボリュームが少なければ効果的に意味がないものになってしまうが、ボリュームを重視すると従来の施策と変わらなくなってしまう。質と量のバランスを考慮したという。では、具体的にどのようなキーワードがあったのか?
「質を重視したキーワードは、Twitterでは普通に使われているけれど、私たちがターゲティングをする際には絶対に思いつかないようなものが多かったですね。たとえば、『ンヒィィィィィ』というキーワードが挙げられます。質と量ともに多かったキーワードとしては、『フォロバ』(意味:フォローバック)や『ワロタ』(意味:笑ってしまった)などのTwitter用語やネットの用語、また“年上”“年下”といった人間関係系のものでした」(渡邉氏)
『やばいお金ない∩(´;ヮ;`)∩ンヒィィィィィ』
— アルバイト「an」|アンドーくん (@weban) 2016年12月19日
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