UGCの広告活用を実現する5つのステップ
ここからは、UGCを広告に活用する際の具体的なフローを、以下の5つのステップで説明します。
- UGCの生成
- UGCの収集
- 利用許諾の取得
- オウンドメディアやペイドメディアへのUGCの活用
- UGCの効率評価とステップ1へのフィードバック
1)UGCの生成
「SNS上にどのような投稿を増やすべきか?」「認知獲得の効率が高いコンテンツとは何か?」「それらを、どう生み出すか?」などを考え、実行します。最も属人的な作業であり、マーケターの腕の見せ所です。UGCを生成する方法は様々で、企業や商品ごとに方法論は異なるため、今回は詳しい手法の説明は割愛します。
2)UGCの収集
自然に発生したコンテンツを収集する場合と、特定のハッシュタグを使った投稿キャンペーンを行って画像を集める場合の2パターンがあります。UGCを収集する際のポイントは、企業側の価値観でコンテンツの良し悪しを判断せず、様々なクリエイティブにチャレンジすることです。
例えば、本連載の第3回でご紹介したカゴメの事例では、従来の広告クリエイティブの常識とは全く異なる構成であるUGCをSNS広告のクリエイティブとして使い、結果として大きな成果をあげました。企業側が想像もつかない内容のクリエイティブが大当たりする可能性を秘めていることも、UGCの魅力なのです。
3)利用許諾の取得
投稿者からの利用許諾の取得は、UGCを活用するうえで極めて重要かつ不可欠なポイントです。既にSNS上に投稿されているUGCの許諾を得るための方法は、大きく分けて次の2つがあります。
- 手動でメッセージを送る
- システムを活用して許諾を取る
手動で許諾を得る場合は、コンテンツを投稿したユーザー一人ひとりに対して、SNSのアカウントにダイレクトメッセージを送ったり、表示されているアドレスにメールを送ったりします。いずれにせよ、非常に手間がかかるため、場合によっては専任の担当者が必要になるでしょう。そのため、利用許諾のオファーは専用ツールを使うことをお薦めします。システム活用については後ほど紹介します。
UGCの投稿者から利用許諾を得ることに不安を感じる企業も多いようですが、実際にオファーを送ると、多くのユーザーは好意的に反応します。特にInstagramユーザーの多くは、自ら投稿するコンテンツへの反応率を高く保ちたいという気持ちを持っており、嫌いな商品をオーガニックで投稿するケースは少ないはずです。
つまり、もともと商品への好意度が高いため、企業から利用許諾を求めるコミュニケーションを直接取られても、自分の写真が広告に使われることへの抵抗は少なく、むしろ承認欲求が満たされる場合もあります。
4)広告へのUGC活用/5)UGCの効率評価とフィードバック
収集したUGCを、オウンドメディアやペイドメディアのクリエイティブに活用していきます。コンテンツごとにクリック率やコンバージョン率などをしっかり分析し、プロモーション効率が高いUGCはどのようなものかを仮説検証し、その後のクリエイティブの生成過程にフィードバックすることが大切です。具体的な数値をもとにコンテンツの投稿や差し替えをフレキシブルに行うことで、さらに効率的なUGC活用が実現できます。
