許諾取りには意外なメリットも(オイシックスの事例)
昨年末より、オイシックスでは1)~5)の流れに則ってUGCを積極的にSNS広告として活用しています。同社では、自然に発生していたUGCを収集しており、Instagram上で写真を投稿しているユーザーのコメント欄に、企業アカウントから直接許諾を求めていますが、これまでに半数以上のユーザーから承認を得ています。
さらに、許諾を取る間にも、「美味しく頂きました」などの好意的なコメントを添えて返信するユーザーもおり、UGCを介したコミュニケーションが生まれているようです。

同社EC事業本部 吉川賢治氏は「想定よりも多くの方に広告利用を快諾いただき、とても驚きました。またコメントを通して商品に対する感想や評価をお聞きすることができたのはSNSならではの副次効果だと感じています」と語ります。
また、実際にこれらのUGCを広告として出稿したところ、通常バナーと比較してCPAが約20%改善され、広告効率の改善を実現しました。
専用ツールを使ってUGC活用を効率化
紹介したフローの中で、「UGCの生成」は先ほども説明した通り、マーケターの属人的な仕事です。一方、2)~5)は効率化が可能です。専用ツールなどを使って、できる限り自動化を目指しましょう。UGCの収集や運用を効率化するツールをいくつか紹介します。
UGCを有償で収集するツール
「Snapmart(スナップマート)」
生活者がスマートフォンで撮った画像を販売しているプラットフォームです。UGCを有償で獲得できます。UGCを生成するプロモーションの設計ができない場合にお薦めです。

UGCの収集、許諾の獲得、運用、最適化を一貫して行うツール
「Letro(レトロ)」
UGCの収集から利用許諾の取得、広告管理画面への連携、効果測定などを一貫して行えるツールです。UGCマーケティングをワンストップで行えるため、運用の最適化と効率化に役立ちます。

UGCはマーケティングコストの変革をもたらす
これらのツールを使ってUGCの収集、獲得、運用、効果測定を効率化することで、広告運用のコストや作業時間を減らすことが可能です。マーケターは、空いた時間を生活者とのコミュニケーションや商品開発に充てられるようになるでしょう。
このように、UGCの広告に活用すると、カスタマージャーニーの一貫性が高まり、広告効果の向上が期待出来るだけでなく、マーケティングフローの効率化にもつながります。そのことは、マーケターのコスト意識の変化へとつながり、最終的に企業のプロモーションのコスト構造をも変えていく。UGCを広告に活用することは、プロモーションコストの変革の可能性も秘めているのです。