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バイラルを生み出す、ユーザーサプライズファーストの仕事術~ミクシィXFLAG スタジオの現場に迫る

 スマホアプリ「モンスターストライク」をはじめ、様々なエンターテインメントコンテンツを提供するミクシィのXFLAG スタジオ。ネットやTVなど様々なチャネルで施策を展開しているが、どのような考え方のもと、マーケティングは行われているだろうか? 同社で活躍するプロモーショングループ マネージャー 根本悠子氏と、同グループ 第1宣伝企画チーム リーダー 岡野吾朗氏に仕事の進め方を取材した。

SNSもゲームもコミュニケーションが主役

 根本氏はアパレル業界でキャリアをスタートし、インターネットサービス会社でのウェブコンテンツのプランナーを経て、2007年にミクシィに入社。求人サイト「Find Job!」のコンテンツのプランナーを担当した後、2008年SNS mixiのプロモーションチームに異動し、mixiのプロモーションやプロダクトオーナーを歴任。2014年に産休および育休から復帰後、現在はプロモーショングループのマネージャーとして、同社が展開するゲーム“モンスターストライク”(以下、モンスト)や、新規タイトルを含む様々なプロダクトのリサーチや宣伝、PR、販促、集客などの施策を統括している。

左:株式会社ミクシィ XFLAG スタジオ プロモーショングループ マネージャー根本悠子氏、右:同グループ宣伝第一企画チーム リーダー 岡野吾朗氏
左:株式会社ミクシィ XFLAG GAMES プロモーショングループ マネージャー根本悠子氏
右:同グループ宣伝第一企画チーム リーダー 岡野吾朗氏

 岡野氏は、前職でゲーム会社に所属し、ゲームの宣伝やCMなどの施策まで、様々な業務に携わった後、2015年にミクシィに入社。現在は、プロモーショングループ 宣伝第一企画チームのリーダーとして、メディアのプランニングやリサーチなどを担当している。

 両氏が所属するXFLAG スタジオといえば、モンストを提供しているイメージが強いが、実際はどのような事業を展開しているのだろうか? 率直に尋ねたところ、根本氏は次のように説明してくれた。

 「もともとミクシィは、求人サイト『Find Job!』から始まってSNS『mixi』で大きくなった会社。人と人とのコミュニケーションをとても大切にしていて、すべての企画にその考え方が踏襲されています。そのためXFLAG スタジオの理念としても、コミュニケーションが活性化し『みんなでワイワイ集まって楽しむ』という思想をゲームであれマーケティングであれ、全てに織り込むことにとても注力しています。そのなかで、いかにケタハズレなことをやるか。新しいことや驚きで、みなさんにバリューを感じていただけるコトを提供できるかを日々考えています。

 私達は『友達や家族とワイワイ楽しめる、“アドレナリン全開”のバトルエンターテインメントを創出し続ける』というスタジオミッションを掲げ、そのミッションの実践を通して、親しい友人や家族とともに楽しむ“バーベキュー”のように≪みんなと一緒に熱く盛り上がれる場所≫を提供するというB.B.Q.(バーベキュー)という戦略コンセプトを有しています。“ユーザーの方々がひとりではなく、みんなが集まって一緒に楽しめる空間をプロデュースすること”、そこに、私たちならではの付加価値があると考えています。これはまさに、ミクシィがこれまで培ったDNAがいまなお根付いている一つの例だと思います」(根本氏)

 さらに根本氏は、各プロモーションのキャンペーンにおいても、本当に興味を持ってもらえるのか。視聴者やユーザーにまだ見ぬ驚きを提供できているのか。常に意識し、その答え合わせをクイックにできる組織だという。

“モンストやるなよ”キャンペーンが生まれた背景とは?

 ゲームアプリのマーケティングというと、リテンションやアドテクノロジーを活用したウェブプロモーションを思い浮かべる人も多いのではないだろうか。もちろん、同社ではその領域にも強みを持っているが、もう一つ重要視しているものがある。

 「もちろん数字も大事ですが、安いCPI(Cost Per Install)で沢山の新規ユーザーを獲得できたとしても、そのユーザーにゲームで楽しんでもらえなければ意味がありません。そのため口コミや話題が広がるような施策を組み込むことも意識しています。“これってどうバイラルするの?”という言葉は、もう呪文のように繰り返してますね」(根本氏)

 どうバイラルさせるか、またどうバイラルしたかは、数値化しづらく説明も難しい。そこで、岡野氏のセクションでは施策の効果を検証するときに、様々なSNSでのユーザーや消費者の声、グループインタビュー等をあわせて、定量と定性の両方から見るようにしているという。

 「たとえばモンストはゲームですが、コミュニケーションツールとしての側面が強いです。それがどう機能しているかも非常に気にしています。しかし定量データだと、コミュニケーションに関する効果は観測しにくい。ですから、ユーザーに直接インタビューして、どのようなコンディションでモンストをプレイしているのか、誰かにゲームの話をしたくなった瞬間はあるか等を聞いています」(岡野氏)

 ユーザーへのインタビューはアプリ内のアンケートから協力者を募ることもある。2013年にリリースされた息の長いサービスであるため、熱量の起伏や、ゲームにどう向き合っているかの変化など、ユーザーの声から見えてくるものが沢山あるという。

 さらに、これらの調査を踏まえて、2016年10月のリリース3周年記念には、今のユーザーのテンションが上がるような施策として“モンストやるなよ”キャンペーンを展開。タレントの上島竜兵さんを起用して、“モンストをやってね!”というメッセージを逆説的に“モンストやるなよ!”とメッセージングしたTVCMを放送したり、モンストを立ち上げるだけでゲームアイテム1年分や漫☆画太郎の似顔絵といったプレゼントが当たるという“モンストハッピーくじ”を実施したりした。

 「たとえば、長年付き合ったカップルのような間柄には盛り上がる時期とそうでない時期がありますよね? サービスも少し似ていて、以前よりも“ユーザー間の会話が減ってなんとなくゲームをしている”方が増えているように感じていましたし、グループインタビューやインサイト調査結果でも熱量が以前よりも下がっているような印象も見えました。モンスト3周年のキャンペーンは、熱量を上げるきっかけ、会話のきっかけになるようなものにしなくては、と考えました。たとえば“モンストやるなよ!”なら、CMなどを見た時に“モンストが変な広告で「やるなよ」って言ってるよ、どういうこと?”と誰かと会話したくなるのではないか、という仮説のもとコミュニケーション設計がスタートしました」(岡野氏)

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友達から“面白いよ”といわれる仕掛けをつくる

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター
出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2017/05/23 10:38 https://markezine.jp/article/detail/26283

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