データ分析の戦略を立てるうえで役立つ、3つのアイデア
戦略を立てるうえで役につアイデアが3つあるとし、ネイトは順に解説していった。
アイデア1:Think Probabilistically
まずひとつめは、背景のスクリーンに「ベイズの定理」を示し、データをもとにどれだけ確率が高い答えを出せるかが求められるが、間違いに対応できる体制も同じくらい重要だとした。
「飛行機が墜落する確率は2%だと言われ、墜落しないほうがいいに決まっていますが、その2%にいかに備えるかが非常に重要です。そのためには、Think Probabilistically(確率的に考える)べきなのです」
Think Probabilisticallyができている例のひとつが、天気予報だ。雪解けによる洪水が毎年の懸念されるノースダコタ州を例に上げた。「51フィートの防波堤があるから大丈夫だ」と言い張る地元の人もいて、実際に推移は49フィートまでしか上がらなかったとのこと。しかし、天気予報は40%の確率で洪水が起こると告げており、住宅等への甚大な被害を考えれば、既存の情報だけを盲信せず、天気予報のような日々更新される情報をウォッチし続けることが賢明な態度だとする。
「天気予報は毎日パワフルなコンピュータで分析され、間違いがあった場合はユーザーからのフィードバックがあります。ビッグデータと人間性、両方が組み合わさった質の高い情報です。もし51フィートを超えたらと確率論的に考え、天気予報を注視し続けるなどの行動に出るべきなのです」
アイデア2:Know Where You're Coming From
ふたつめは、客観的に自分自身を知るということ。たとえば、差別的な視点はないと思っているマネージャーほど、採用の判断にそういった指標が混じりがちだという統計も出ているそうだ。
とくにビジネスにおいて、このように客観的でない判断をしてしまう間違いを防ぐには、「多様性にあるグループで判断する」ことが重要だと言う。
「自分はこのエキスパートであり、他のメンバーは他の分野のエキスパートである。そういう多様性のあるメンバーでグループを構成すること。そして、上司が聞きたい答えを言うのでなく、その会社の文化、社風から『このような見解を述べても大丈夫だ』と確信して自分の意見を言えるグループであること。このような組織であれば、賢明な判断ができます」
アイデア3:Try and Err
最後に「トライ・アンド・エラー」の重要性をあげた。例として、ポーカーは、短時間に決まった手だけで大きく稼いで終わってしまうより、いろいろな手を試し、勝ち負けを繰り返したほうが長く継続してでき、おもしろいのではないかと会場に問いかけた。
「GoogleやFacebookなどの企業は、さまざまなテクノロジーに投資しますし、アイデアを出して、取り除いてを繰り返しています。試行錯誤しながらリアルタイムで学ぶ、このイノベーション的なプロセスそのものが重要あのです」
こう述べて講演を締めくくり、会場からの質問に応える準備に入った。