野村総合研究所(以下、NRI)は、コンタクトセンターを含む窓口業務向けに開発した人工知能(AI)ソリューション「TRAINA/トレイナ」(以下、TRAINA)の機能を拡張し、2017年7月に提供を開始する予定であることを発表した。
今回拡張される機能は大きく二つ。一つはAIとオペレーターによる柔軟な応対を実現する「チャット連携機能」だ。今回の発表ではLINEとアルファコムのSmart M-Talkとの連携を明らかにしている。
顧客から問い合わせを受けると、FAQに掲載されている場合は、TRAINAが対話を通じて、顧客の自己解決を促す。問い合わせ内容が複雑多岐な場合や、人間による応対が必要とTRAINAが判断した場合は、チャットオペレーターに自動的に切り替える。オペレーターは、顧客とTRAINAとのそれまでのやり取りの内容を参照・理解し、きめ細かな応対を行うことができ、業務の効率化と高度化を図ることができる。
もう一つは、ハンズフリー化を実現する「音声認識機能」。同機能では、顧客との通話内容をTRAINAがリアルタイムでテキスト化して、重要な問い合わせ内容を意味把握・検知する。検知内容をオペレーターに知らせると同時に、FAQや業務マニュアル、各種資料などのナレッジから自動で回答候補を選択して提示する。
また、回答候補が複数ある場合は、候補を絞り込むための追加質問を自動生成することもできる。追加質問に対する顧客の発言をTRAINAは認識・理解し、回答候補を絞り込んでいくことで、顧客が求める回答にたどり着くまで、オペレーターをナビゲーションする。
通話終了後、TRAINAによって通話内容をもとに応対要約文が生成され、応対管理システムに登録される。
音声認識機能により、オペレーターはキーボードを使わずに応対することが実質可能になり、コンタクトセンターにおける通話時間と事後処理時間の大幅な削減が期待できる。さらに、TRAINAがオペレーターをサポートすることで、習熟度の低いオペレーターでもきめ細かな応対を可能にする。
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