企業はブランド広告で政治的態度を明らかにすべきか?
「政治とブランド」の項目では、企業の政治的態度に対する質問がなされた。全体的には、若者のほうが企業の政治的態度を意識し、同様の政治的態度を取るブランドの製品を選ぶ傾向が伺えた。特にミレニアル世代でその傾向が顕著といえるだろう。
「自分と同じ政治的態度を取るブランドの製品・サービスだけを購入する?」という質問では、ミレニアル世代の53%がYesと回答、Z世代40%、X世代48%、団塊の世代33%を上回った。また「自分の価値観とそぐわないブランドについて意識している?」という質問では、ミレニアル世代の61%がYesと回答している。
「購入前にブランドがどのような政治的態度を取っているか調べる?」では、ミレニアル世代の43%がそうすると回答している。これらの数字やこのほかの質問を含めても、ミレニアル世代は企業の政治的態度を意識し、自分の価値観と合うブランドの製品・サービスを購入する傾向が強いと見て間違いないだろう。

以上、JWTの調査レポートからポリティカル・コンシューマーの特徴を見てきた。調査で得られた数字からも、ポリティカル・コンシューマーの中核を成すのはミレニアル世代であることが明確にわかった。
一方で、今後歳を重ねて政治的意見や態度を持ち始めるZ世代の動向にも注視すべきだ。今後5~10年でZ世代は労働市場に入り、購買力を持つようになる。企業がポリティカル・コンシューマーと良い関係を構築するには、ミレニアル世代とZ世代への理解が必要不可欠だ。
第3回となる次回は、消費者の変化に対応するブランドの取り組み事例を見ていきたい。