アドフラウド対策「TUNE Fraud Prevention」
すべてのマーケティングは、パフォーマンス、つまり生活者の行動やそれによって生じた結果によって評価されるべきだとハミルトン氏は考えている。そのためには、アドフラウドを適切に排除することが重要になってくる。
そもそもTUNEはモバイル計測基盤である「TUNE Marketing Console」による精度の高いデータ蓄積を強みとして、「Attribution Analytics」(アトリビューション分析)「App Store Analytics」(ASO)「In-App Marketing」(アプリ内通知)などのソリューションを提供してきた。
たとえばマーケターは、アプリインストールにつながった広告やオーガニック流入についてのアトリビューションデータから、インストール後のアプリの使用データに至るまでをワンストップにデータ集積し、セグメントを設けて広告やプッシュ通知を最適化することができる。
ところが広告流入やインストール数についてのデータが改ざんされてしまうと、「CPI」をはじめとする評価指標が不確かなものになり、実体をともなわない広告への支払いが生じるばかりか、誤ったPDCAにつながりかねない。
ちなみにForrester社の調査によると、2016年において74億ドルもの金額が低品質な広告に使われ、そのうち過半数がアドフラウドや「見えない広告」に使われたものだという。74億ドルの半分にあたる37億ドルがアドフラウドに使われたと仮定すると、これは電通の海外子会社カラが2016年9月8日に発表した「世界の広告費成長率予測」から算出できる2016年における全世界のネット広告予算1,500億ドルの約2.5%にあたる金額だ。2.5%もの見えない広告マージンがあると考えると、恐ろしい数字ではないか。
こうした深刻な背景をふまえ、TUNEはアドフラウド対策の「TUNE Fraud Prevention」を発表した。この取組の斬新なところは、マーケターと広告パートナーがデータを共有できるので、両者が協働してフラウドを行っているパブリッシャーを特定して締め出せることにある。なお、このソリューションは「TUNE Marketing Console」の一機能として提供される。

このソリューションはアドフラウドだと思われるトラフィックを特定しアドフラウドの統計分析を表示するだけでなく、デバイスや位置情報やキャンペーンのデータをもとにアドフラウドを行っているトラフィックソースを推定して、アドフラウドを除外するルールを自動でリコメンドしてくれるというもの。このルールをマーケターが承認すると以後はアドフラウドとしてフィルターして除外される。いわば、「守りのMA」としての役割をはたすわけだ。


流入広告のクリエイティブベースで顧客をセグメント
加えて、広告クリエイティブベースの計測ツールであるCeltraとのアライアンスは、「TUNE Marketing Console」の可能性をさらに拡大したといえそうだ。この連携によって、たとえば、どのクリエイティブの広告で流入した顧客がアプリ内でロイヤリティーが高いかを評価し、最も効果的だった広告クリエイティブに予算を集中することが可能になる。
他にも、流入のきっかけとなった広告クリエイティブごとにユーザーをセグメントし、広告と同じクリエイティブをプッシュ通知にも表示させてエンゲージメントを深めるといったことも可能だ。

位置情報とMA機能を連携させ、最適なタイミングでのコミュニケーションを実現
位置情報はマーケターがTUNEのソリューションにおけるMA機能を活用して「しかるべき人に、しかるべき時と場所で」接触するために非常に有効な情報だ。たとえば、小売企業であれば、アプリをインストールしている生活者が店の中に入り、買い物をしているタイミングで、「In-App Marketing」の機能によってアプリ通知をオンにするといったことが可能になる。生活者にとって最も快適な形でアプリ通知を行うことができるわけだ。
