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TUNE POSTBACK2017 レポート

個人単位でクロスデバイスの行動や位置情報を計測しパーソナライズド施策を実行 TUNEがイベントで発表


デバイスを越えた人単位の計測を可能にする「TUNE People Service」

 最後にハミルトン氏は、「TUNE Marketing Console」のデータ基盤再構築によって可能になった大型の新機能を紹介した。モバイル・Web・デジタルテレビの広告への反応データや、アプリ内行動データ、位置情報といった生活者の行動を人単位で計測する「TUNE People Service」機能である。

 この機能は、個々人のカスタマージャーニーを発見し、パーソナライズドマーケティングを実現して、ROIを正しく計測し、アドフラウドを発見するのに役立つものだという。

 従来の計測ツールでは、生活者がモバイル広告に接触したときに使用しているデバイスIDを取得していたが、同じ生活者が複数のデバイスを使っていたり、アプリやWebの両方を見ていたりすると、同一人物に関係するはずの膨大でバラバラのデータが生じてしまい、マーケターはお手上げとなるのが常だった。これに位置情報が加わるとデータはさらに複雑になる。データベースの「行」が「デバイス」である以上、特定の生活者のカスタマージャーニーを正確に描くことは実質的に不可能だった。

 そこでTUNEはデバイスではなく人に注目してデータ基盤を構築し直した。具体的には、データベースの「行」を「人」にしたのだ。バラバラのデータがどの生活者に紐づくものなのかを特定し、クロスチャネルの広告データとCRMのID、デモグラフィック情報、位置情報などといった情報をリンクできるようにした。

 「このように個人を軸として、広告配信やアトリビューション分析の機能を備えたマーケティングデータベースはいまだかつて存在しませんでした。いわばMAツールとアトリビューション分析ツールと、CRMデータベースが一つのシステムに備わっているようなものです。しかも、新しいデータが追加されれば既存の人の行へとひもづけられるのです」(ハミルトン氏)

 この新機能について、TUNEのCTOであるダン・コーチ氏は「one to manyのマーケティングの時代ははっきりと終わった。個々の生活者がどのような行動をとってきたのかを完全に把握し、パーソナライズされたマーケティングを行う方法をマーケターは求めている」と語っている。

 こうしてTUNEは、個人の行動を正確に把握し、個人のカスタマージャーニーを明らかにして、高度にパーソナライズされたマーケティングキャンペーンを行うためのデータ基盤を構築したといえそうだ。

 マーケターは「TUNE Marketing Console」にビルトインされた「TUNE People Service」機能を活用することで、アプリ内行動や広告接触データをもとに、自社の顧客が誰なのか、個人情報には触れずにはっきりと把握することができる。そのうえで、その特定の個人に対して最適なマーケティング施策を打つことができるようになる。先に紹介した位置情報も応用可能で、店舗に入る前に個人に最適化したオファーを送ることも可能だという。

 最後にハミルトン氏は、TUNEはマーケティングのパフォーマンスを計測・評価するという信念を、透明性・位置情報・顧客中心という3つのポイントを重視して突き詰めていくことを改めて述べ、来場者に対して「共に業界を作り上げてきましょう」と呼びかけ、講演を締めくくった。

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この記事の著者

江川 守彦(編集部)(エガワ モリヒコ)

東京大学文学部を卒業後、総合広告代理店でマスメディアの媒体営業業務を経験し、出版社に転じて人文系の書籍編集に従事したのち、MarkeZine編集部に参画。2018年よりオーガナイザーとしてMarkeZine Dayの企画にも携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/07/25 12:25 https://markezine.jp/article/detail/26840

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