「食べ方お知らせメール」でより充実した顧客体験を実現
同社では、続けてもらうための仕組みづくりの一環として、特定の商品を届ける際に、どんな特色を持った商品なのか、どういうふうに食べてもらいたいか、といった内容のメールを配信している。
「オイシックスの商品は産地や鮮度にこだわったものばかりです。とはいえ、適切な食べ方をしていただけないと、その食材の真の魅力に気づけない場合があるので、オイシックスが奨励する食べ方をメールでお知らせしています。商品や時期によって内容を変えるために、CCMPを使って細かい出し分けを実現しています」(米島氏)
全社共通フォーマットを使って、プロセスを明確化し課題を共有
次に米島氏は、MA運用を成功させる秘訣を3つのポイントに分けて紹介した。
1つ目は「プロセスの明確化と課題の共有」、2つ目は「オーナーシップ」、3つ目は「評価方法・指標の明確化」だという。まず、「プロセスの明確化と課題の共有」から見ていこう。
オイシックスでは、マーケティングを担う「事業部」、数字指標を管理する「レビュー支援」、システムや仕組みを実行する「開発」、手動運用を行う「業務」といったチーム編成をしている。
このチーム編成の狙いは、同社内で「フォワード人材」と呼ばれる「事業部」が企画立案に注力し、それを実行できるように他のチームが支援することにある。またそれぞれのチームがどの局面で支援するかという、プロセスの明確化も同時に実現している。
「事業部とそれ以外のチームが連携する上で、『課題の共有』が大切になるので、オイシックスでは共通のフォーマットを活用しています」(米島氏)
まず共有するのは、そのチームが抱えている「課題」だ。「課題」はたとえば、「新規顧客の継続率が上がらない。特に2週間目の注文率が上がらない」といったようなもの。次に、「現状」として課題を裏付けるデータや、「忙しかったから」などといった顧客からの声を集める。そして課題が生じる背景を「生活の中で注文方法が根付いていないため」といった「仮説」にまとめる。
この一連の情報が統一フォーマットのもと社内で共有されていると、あらゆる施策が同じ土俵のもとで検討されるので、実施するかどうかの検討プロセスがフェアなものになる。しかも、施策とその背景にある課題がわかりやすく共有されるので、社内の連携が円滑に進むようになるのだ。
「当社では、各チームから全社に向けて課題が共有されています。オイシックスドット大地株式会社になってからは、大地を守る会からオイシックスへの課題共有と、オイシックスから大地を守る会への共有の両方が、活発に実施されています」(米島氏)
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