中国進出に悩む企業を包括的にサポート
――現段階で日本企業に導入している、もしくは中国から日本のユーザー向けに広告を配信しているような事例はありますか。
井料:ありがたいことに、日本法人を開設しまして多くの広告主様、広告代理店様からのお問い合わせを頂き、ゲーム、EC、マンガ、ポータルなど、とても順調なペースで出稿が増えています。従来、欧米系やイスラエル系の在庫は日本でも多く利用されていましたが、中国系アプリの在庫は新たなリーチを増やせるとして好評です。
また、中国企業から日本への広告配信のニーズが非常に高いので、マネタイズを狙うアプリディベロッパーにも評価いただけるプラットフォームだと思います。当社では、中国から日本向けの広告配信を100キャンペーンほどは常時行っています。最近は、中国アプリの日本での広告展開もゲーム系を中心に賑わっています。
とはいえ、まだ世の中的には10本程度のキャンペーン数だと思いますので、当社のメディアSDKを導入いただくことで、新たに収益性の高い広告がメディア側に提供可能であるとともに、マネタイズの面でも貢献できます。
――日本から中国に広告配信をしたいという広告主のニーズにも、御社のサービスが合致しますか。
井料:そうですね。特に中国の場合、アプリ市場が複雑な生態系になっているので市場への理解が欠かせないと思うので、Mobvistaがサポートできる部分も多いと思います。
例えば、日本の場合アプリをダウンロードする場合Androidでは「Google Play」、iOSは「App Store」とわかりやすいですが、中国では「Google Play」はサービスを提供していなくて、ローカルのアプリストアがいくつも存在しています。そうした状況に、「何をすれば良いのかわからない」と感じる企業の方も多いと思うので、そんな時はご相談いただければコンサルティングに近いような形で一緒に取り組めます。中国はもちろん、我々は200以上の国をカバーしています。そのため、真の意味でお客様のグローバルパートナーになれるのではないかと思います。
また、中国や東南アジアといった地域はインフラが整っておらず、ネットワークが安定していないことが多々あります。さらに、動画広告など通信量が多いものを配信するには、スペックが足らなくなるケースも発生するのですが、その点も当社の技術力でカバーが可能です。
セルフサーブでのサービス利用を可能に
――最後に、会社としての今後の展望をお聞かせください。
井料:Mobvistaは歴史は浅いながらも急成長を遂げてきた会社です。その成長の要因は、アドネットワークとして広告主、メディアの双方をマッチングし、また自社SDKに基づく豊富なビッグデータを高いマシンラーニングの技術を生かして、効果改善につなげてきた点にあります。そして中国という厳しい市場を勝ち抜き、そのサービスをグローバルへと広げてきました。
私たちは技術、広告在庫、データのすべてにおいて、日本の皆さまのお役に立てると自負しています。そしてMobvista Japanとしては、世界第2位の広告市場である中国と、世界第3位の広告市場である日本をさらに密接にする架け橋の役割を果たしていきたいです。
今後のプロジェクトとしては、お客様がMobvistaの広告配信を直接扱えるセルフサーブ型のプラットフォームの提供を早ければ年内にも予定しています。担当者様自ら入稿管理から出稿状況、メディア別の効果までご覧いただけるようになるので、より幅広いニーズに対応できるようになると考えています。