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COLUMN

便利なはずの無人売店「Bodega」がSNSで大炎上/企業に求められる「消費者への共感と貢献」とは

 テクノロジーを駆使し、便利な無人売店「Bodega」を開発した、アメリカ・サンフランシスコ発のスタートアップに批判が集まっている。SNSでの炎上を招いた「Bodega」の失敗に、現代の日本企業に求められる「消費者への共感と貢献」の姿勢を探る。

アリババやアマゾンに続く、無人店舗の台頭

 中国の大手ECサイト「タオバオ(淘宝)」を運営するアリババグループが無人のコンビニエンスストアのコンセプトを発表、アメリカではアマゾンが「Amazon Go」と呼ばれる無人店舗の開発が進めるなど、2017年はまさに「小売業無人化元年」の様相を呈している。

 仕掛けるのはアリババやアマゾンのような大手だけではない。2017年9月上旬にはアメリカ発のスタートアップ「Bodega」が参入。同社がサンフランシスコ周辺にオープンしたのは、小規模でガラス張りの棚の形をしている。「無人キオスク」といえばイメージしやすいだろう。スナック菓子などの軽食や飲み物などを陳列し、キャッシュレスで買い物ができる。

 最高のタイミングで小売業無人化の波に乗ったように見えたBodegaだったが、実は今、サービスとは「異なる部分」がクローズアップされ、地域コミュニティーからの批判や逆風にさらされている。同社にとってまさかの事態から見えてきたのは、これまで以上に消費者コミュニティーへの共感と貢献が企業に求められているという時代の変化だった。

元Google社員が立ち上げた「Bodega」

 元Google社員の二人、Paul McDonald氏とAshwath Rajan氏が創業したBodegaが提供するサービスは、ガラス張りの棚の形をした「無人キオスク」。

創業者の2人とBodega(右がPaul McDonald氏、左がAshwath Rajan氏)
「Bodega」のホームページより

 ユーザーは、専用のスマートフォンアプリをガラスの扉にかざして解錠。欲しい商品を取り出すと、アプリに登録されたクレジットカードで自動決済される。

 棚の大きさは幅約1.5メートルとさほど場所を取らないことから、マンションやオフィスなど施設の屋内に設置することを想定。大学キャンパスなら文房具、フィットネスジムなら飲み物やデオドラント商品といった具合に、場所に合った商品を重点的に販売していく予定だ。

 一見、今の時代に合ったとても便利なサービスのように思える。が、その印象とは裏腹に、サービス開始直後からBodegaという「社名」と「ロゴ」に対して、主に南米系移民からの批判がSNS上で相次ぎ、事業の失速を招いているのだ。

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この記事の著者

橋本 沙織(ハシモト サオリ)

大阪大学外国語学部卒。半導体メーカー勤務を経て、2014年よりニューヨーク在住。フリーライターとしてマーケティング、ITや子育てに関連する情報をネットで紹介する傍ら、フードスタイリストとしても活躍中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2017/10/06 07:00 https://markezine.jp/article/detail/27142

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