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カスタマーエクスペリエンスから考える 今、企業に求められる透明性とは

2017/11/07 12:00

 毎年数々の“バズワード”が登場するのはデジタルマーケティング領域の常。それに踊らされず、マーケティングにおけるデジタルとは何か、本質を見ようと強調するのは10月1日にゼロスタートから社名変更したZETAの山崎徳之氏だ。9月27日(水)、28日(木)に開催されたMarkeZine Day 2017 Autumnでの講演で、山崎氏はカスタマーエクスペリエンスという傘の下にすべてのバズワードが統合されると解説。「消費者が商品の真価を知ることに、企業はどれくらい協力できているかが問われている」とひも解く。

デジタルは「制御モデル」の一つの形態

 EC商品のサイト内検索およびレコメンドエンジンで、各業界のリーディングカンパニーを中心に高い導入実績を誇る旧ゼロスタートは、10月1日に社名をZETAに変更。検索エンジンから“CXソリューション”としてバージョンアップした「ZETA SEARCH」は、導入先企業の年間流通額の合計が7,000億円、扱う年間総クエリ数は300億にも上る。

 同時にレビューエンジン「ZETA VOICE」など複数ソリューションを扱う同社の山崎徳之社長は、今回のMarkeZine Dayのテーマである「デジタルファースト」に焦点を当て、「そもそもマーケティングにおけるデジタルとは何かを改めて考えたい」と切り出す。

 ZETA株式会社 代表取締役社長 山崎徳之氏
ZETA株式会社 代表取締役社長 山崎徳之氏

 買ってもらう、行ってもらう、口コミを書いてもらう……。昔も今も、マーケティングは「どうやって人を動かすか」に取り組む活動だといえる。そのとき機能する、人を誘導するさまざまな仕組みを「制御モデル」と山崎氏は表現する。

 「こんな広告を流すとブランドリフトする、こういうアフィリエイトが購買につながるなど、何らかの働きかけによって人に動いてもらうのがマーケティングの根本です。デジタルはたしかに魅力的ですが、特別視されすぎてバズワードに振り回されるところがあります。デジタルは、あくまで人に動いてもらう『制御モデル』の一つの形態に過ぎません」(山崎氏)

デジタルコマース=ECと考えるのはもはや誤り

 ただし、単にネットが登場してデジタルが活用され始めたころよりも、スマートフォンが一般化した今のほうが、マーケティングに与える影響は大きくなっている。

 ネットが出始めた当時は、通信は双方向でも情報は一方向的だった。しかし今、ユーザーからの発信が活発になり、情報も双方向になったため、本当にインタラクティブでリアルタイムなマーケティングが可能になった。さらにスマートフォンは、企業とユーザーとの距離をぐっと縮めた。

 つまり、企業はスマートフォンによって「インタラクティブ、リアルタイム、ゼロディスタンス」の3つの大きな特徴を備えた制御モデルを構築できるようになったのだ。

 では、コマースにおいてデジタルがどう働いているかを見てみよう。デジタルマーケティングという切り口で考えると、おのずと思考がECに狭まってしまうが、「デジタルはデジタルコマースだけの手段ではない。リアルコマースにもデジタルはとても有効」と山崎氏は提示する。購買のポイント以外にもたとえばリテンション、広告配信などにもデジタルは大きく関わっている。

 コマースにおけるデジタルがECという誤った前提で、いまだに「デジタルに予算が割けない」という話も聞かれるが、それはリアルも含めたコマース全体の機会損失につながっていることを認識すべきだろう。「アリババのジャック・マーも『いずれECがなくなる』と言っていますが、“EC”という言葉も次第に意味をなさなくなるでしょう」と山崎氏。リアルとデジタルの融合が進むと、もはやどこで買われたかは重要ではなくなってくる。


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