著しき変化する若年層の動向、特に注目する変化は?
押久保:モデレーターを務めます、MarkeZine編集長の押久保剛です。宜しくお願いします。初めに皆さんの自己紹介をお願いします。
市川:UUUMの執行役員をしております、市川義典です。UUUMは、YouTuberやインフルエンサー、クリエイターを介してマーケティング支援やコンテンツを提供している会社です。
彌野:Bloom&Co.(ブルームアンドカンパニー)の代表取締役を務めております、彌野泰弘です。私は約2年前にこの会社を立ち上げましたが、その前はP&Gでマーケティングを担当していました。今の会社では、マーケティング戦略の策定から実行までのサポートを提供しています。大企業や外資系企業の方々とお仕事をすることが多いですね。
河西:河西美希といいます。私は、「Popteen(ポップティーン)」という雑誌でモデルをしていました。現在はYouTuber兼クリエイターとして活動しています。
押久保:では、生活者のライフスタイルの変化に関する話題からセッションに入っていきたいと思います。昨今特に、若年層の動向は著しく変化していますが、皆さんはどのような変化に注目されていますか?
彌野:わかりやすく顕著に変化したのは、テレビの視聴時間と頻度ではないでしょうか。テレビを見る頻度・時間が一番下がっているセグメントは、20~30代の女性です。一人暮らしの20代女性だと、もはやテレビを所有していない人もいるのです。
だから、いくらテレビCMを流しても、こういったセグメントにリーチすることは難しくなっています。テレビCMを打てば、それなりの効果はありますが、昔に比べるとその効果も徐々に下がってきていますね。メディア接触自体が変化しているのでしょう。
テレビっ子世代と若年層が持つ価値観の違い
市川:今の学生が送っている生活と自分が経験した学生生活では、環境が激変して別物になっているので、僕には今の10代の気持ちはわかりません。
だから私は「彼らが求めているものを彼らに聞くこと」を大事にしています。私が子供のときはみんなテレビが大好きでずっと見ていましたが、今はそれがスマートフォンに代わっています。デバイスが変化したのにともない、コンテンツも当然変化しています。
さらに、情報を発信するプラットフォームやメディアも増加する一方です。生活者やターゲットに最も届く打ち出し方はなんだろうとすごく考えるようになりましたね。
押久保:コンテンツの面では、どういった変化がありましたか?
市川:コンテンツに求められる概念や価値観が変化した気がします。昔のテレビCMは、1本に数千万かけるという世界、価値観で作成されていました。これは“完成度”を追求するものです。
しかし今20代30代の人たちが重要視するのは、リアリティや親近感です。広告に対するリテラシーもあるので「広告に踊らされたくない」と思っている人もいるでしょうし、ニーズは細分化され商品・サービスはどんどんパーソナライズされています。自分との「近さ」でものごとを選んでいるので、より親近感を抱いてもらえるようなコンテンツを作成する必要があります。
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