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四家正紀のネオコミュニケーション遊談

元CNET日本法人社長から学ぶネットビジネス成功の極意 中編


このコラムでは、「オンラインマーケティング」にまつわるテーマでIT業界のキープレイヤーの方々とチャットを利用した対談をしていきます。NTTでのプロジェクトもひと段落し、新たな道を模索し始めた御手洗氏。伊藤譲一氏の誘いを受けネオテニーへ転職、そして起業という道を歩んでいきます。(前編はこちら)

遊談相手
御手洗大祐
御手洗 大祐(みたらい だいすけ)
1996年 日本電信電話株式会社に入社。約3年に渡り電子商取引システムや企業間取引システムに関する米国ベンチャー企業との共同開発に携わる、その後有限会社(当時)ネオテニー、バックテクノロジーズ株式会社 代表取締役を経て、日本法人であるシーネットネットワークスジャパン株式会社 代表取締役社長に就任。 2005年 シーネットネットワークスジャパン株式会社代表取締役を退任後、同社非常勤取締役に就任(同年10月に退任)。また同時期に株式会社日本技芸を設立。現在は株式会社日本技芸 代表取締役社長、株式会社アイスタイル 非常勤取締役、株式会社サルガッソー 非常勤取締役、長野県本人確認情報保護審議会委員を務める。

ネットワークの可能性を信じ転身

御手洗
ですね、まあ、このプロジェクトがひと段落ついたこともあり、一度自分の仕事を見直そうと思ったわけです。
四家
どんな形で終わったんですか?
御手洗
えーと、実際にプロダクトが完成して、会社の売却が決まった形でひと段落ついたと。最終的には、CommerceOneという、MROの分野でサービスを売っていた会社に買収されました。ただ、面白いものでこのプロジェクトに関わっていた先ほどの渡邊さんを含め、何人かがやはりプロジェクト完遂後に勤務先を辞めてしまったんですよね。つまりそれぐらい、当時としては刺激の多いプロジェクトだったんではないかと思います。
四家
みんなおんなじことを感じたんでしょうね。特にスピード感の問題を。
御手洗
うーん、私はスピード感の問題もありましたが、もっと自分で技術とかお客さんに直接触れたいという思いがかなり大きかったですね。
四家
ああ、プロジェクト内のポジションの問題。
御手洗
あ、でもこれもスピード感の問題か。そうそう、インターネットのサービスって、やはりログをしっかり見続けるとか、サポートのメッセージをしっかり読むとか、そこから開発が始まると思うんですよ。
四家
間違いなくそうですね。スピードと直接性かな。
御手洗
でも当時はかなりメタなことをやっていたので、よりその思いを強くしたというところがあります。
四家
バイアウトというハッピーエンドでも個人としては悶々としちゃうわけで。
御手洗
ですね、報酬云々の問題というよりは、これは本当に自分が関連した成果なのだろうかと。自分のキャリアにとってどれだけ意味があるのか、よくわからないなぁ、というところが大きかったと思います。
四家
ひらたくいうと、実感とか手ごたえといったものですね。ネットならあるはずなのに。もっとリアルな手ごたえがあるはずなのに。
御手洗
そうですね、そういうところじゃないかと。プロダクト自体が、かなりB2Bにフォーカスしていたので、それで限界を感じていたのもあります。
四家
調整調整また調整みたいな。
御手洗
そうそう(笑)。このワークフローは御社と弊社でこれだけ違う、じゃあどうこの差を埋めるか、みたいな話が延々と続くわけです。技術で整理できる問題じゃないですよね。
四家
もっとダイレクトに手ごたえのある技術で勝負できるようなビジネスをやりたくなったと。
御手洗
まとめるとまさしくそういうところです。学生の当時に感じていたネットワークの可能性を、もっと直接感じられるところで、やはりもう一度仕事をしたいと。
四家
で、転身された。
御手洗
です。展望もへったくれもありませんでしたが、心配はぜんぜん無かったですね。それなりに自分のスキルとか、やりたい方向に社会的なニーズがあるだろうと感じていたので。

ネオテニーへ就職

四家
で、次はどんな仕事を?
御手洗
どうしようかなぁと思っていたんですが、とりあえず「私やめます」というようなメールをいろんな知り合いに書いていたら、伊藤穣一さんからお誘いがあったわけです。何か新しいことを一緒にやらないかと。
四家
伊藤さん、ずっと待ってたんじゃないですか? ひょっとして。
御手洗
うーんどうでしょうかね? その辺は私もわかりかねるところですが(笑)。ただ、当時はかなりネット業界の人材ニーズはあったということだと思います。今でもそうですけどね(笑)。
四家
当時というと99年くらい?
御手洗
ですね、98年末ぐらいでしょうか。ネットビジネスがこれから伸びる、ということがわかる人にはわかっていた時期だと思います。
四家
で、伊藤さんとはどんなお仕事を。
御手洗
そうですね、特に何をやるというのはあんまり相談していなかったんですが、「関連会社のどこに行きたい?」と聞かれたので、「基本的にはどこにも行きたくない」と(笑)。
四家
あははは。
御手洗
当時デジタルガレージInfoseek、などなど、魅力的な会社はあったんですが、個人的には新しいことをやりたい、という思いが強かったので、じゃあまあ伊藤さんのところに個人的に振ってくる仕事をソリューションするような立場で、彼の個人会社にということになりました。それがネオテニーですね。
四家
なるほど。
御手洗
当時は伊藤さんと、秘書とマネージャーの3人しかいない会社で(笑)。いま考えるとよくそんな会社に入ったものだと思いますが(笑)、でもまあ、おかげでいろいろと面白い仕事をやらせてもらいました。
四家
基本的には投資先見つけてくる仕事ですか?
御手洗
いえ、当時はまだインキュベーターではなかったんですね。
四家
あ、そうなんですね。
御手洗
まさしく彼個人のコンサル会社みたいな感じで、いろんな経営者の方や、IT関係の会社の方が、悩み相談に訪れる、といった感じでした。
四家
なるほどねえ。

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この記事の著者

四家 正紀(シケ マサノリ)

株式会社カレン次世代ビジネスリサーチ室長。インターネット広告の草創期からWebマーケティングに携わり、現在はカレンにて次世代販促コミュニケーションについての研究活動と、ブログマーケティング・ブロガーリレーションズ案件のプロデューサーとして活躍。寄稿、講演多数。 ブログ カレン次世代ビジネスリサーチ室ブログ

著書

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/10/19 16:41 https://markezine.jp/article/detail/276

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