デジタルサイネージ×GIF動画は若い世代にもリーチ
総じて、小田急百貨店では想定していた以上の効果があったと評価。催事そのものも好評で、売り場からは「新しい取り組みで顧客接点を広げてくれた」とポジティブなフィードバックがあったという。さらに安田氏は、幅広い年代層がGIF動画を見たことにも注目した。店外でサイネージを見たと答えた42%が10代から30代となっている。
「今は、広告や情報があふれかえる時代。特に若い人ほど、広告を避けてしまうという傾向があるのではないかと思うのです。調査結果から、GIF動画は、広告が届きにくい若年層にサイネージを意識してもらうきっかけになる可能性があると感じます。GIF動画はアイデア勝負。その工夫次第で、大きな効果が得られそうです」(安田氏)
今回制作したGIF動画は、小田急百貨店のサイトやSNS、GIFMAGAZINEの運営メディアでも展開した。素材として扱いやすいGIF動画の特徴をいかし、媒体を横断したプロモーションにも利用できたと安田氏は振り返った。
新宿駅らしさを追求したデジタルサイネージの活用を考えたい
デジタルサイネージ×GIF動画に手応えを感じている小田急百貨店。今後の展開について聞くと、「メディアとしてのデジタルサイネージの可能性を見つけていきたい」とし、サイネージで見て検索するというスマホとの親和性にも注目している。
「新宿店はギネスにも認定されている世界一の乗降客数を持つ新宿駅構内にあります。この立地のアドバンテージをいかし、より多くの歩行者を小田急百貨店のお客様にすることが課題です。デジタルサイネージはそのトリガーとなることがわかりましたので、今後も活用方法を検討していきます」(安田氏)
また、駅周辺にも設置されているという公共性の高さも挙げ、通勤・通学といったルーティーン活動の中に存在するサイネージのあり方についても意欲的だ。
「サイネージを毎日決まった時間に見ているという行動が考えられますよね。その中で、この広告はメリットがあるなと思われるために何が必要か。それは、面白さや感動・癒やしなどがキーワードなのかもしれません。一瞬で面白さが伝わるGIF動画で、実現できたらなと思います」(原口氏)
これまでも小田急百貨店では、企業の動画コンテンツの配信や配給会社と共同して映画のプロモーションを行うなど、常にデジタルサイネージへの注目度を上げる施策を行っている。海外からの旅行者も多い新宿。地域を代表する百貨店として、積極的にデジタルサイネージ×GIF動画の取り組みを進める姿勢だ。