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COLUMN

ZOZO田端信太郎×LINE古賀美奈子 LINEの広告事業、田端から受け継ぐもの・変えていくコト


 6年にわたり上級執行役員としてLINEの広告事業をけん引してきた田端信太郎氏が退職した。3月1日に入社したのはZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイだ。LINEにて田端氏の後を引き継ぐのは古賀美奈子氏。両氏に、田端氏の今後、そしてLINEの広告事業のこれからについて聞いた。(取材日:2018年2月23日)

これは言っても止まらないパターン

――田端さんは2月末でLINEを退社。3月1日付けでZOZOTOWNなどを運営するスタートトゥデイに入社されました。まず、LINEを退職に至る経緯について伺います。いつ頃、その意向を伝えたのでしょうか。

田端:10月下旬に社長の出澤(剛)のところに伝えに行ったのが最初のタイミングです。2017年中は社内でも限られた役員しか知らず、社内でオープンになったのは2018年に入ってから。部下のマネージャー陣から、順次社内に通知、説明していきました。

――出澤社長に伝えたときの反応は? 引き止められたりはしなかったのでしょうか。

田端:私も条件交渉したかったわけではないですし、スタートトゥデイの前澤(友作)さんから直接お声がけいただいてと、経緯を説明しました。「うーん、これは言っても止まらないパターンだな」という感じで。

古賀:そういう話が出た時点で引き止めどうこうということではないですよね。田端さんらしいというか。後はもう応援するしかない。

 株式会社スタートトゥデイ コミュニケーションデザイン室長 田端 信太郎氏(左)LINE株式会社 執行役員 コーポレートビジネス担当 古賀 美奈子氏
株式会社スタートトゥデイ コミュニケーションデザイン室長 田端 信太郎氏(左)
LINE株式会社 執行役員 コーポレートビジネス担当 古賀 美奈子氏(右)

――直接声がかかったということですが、他と迷うことはなくスタートトゥデイに決められたのですか。

田端:転職活動をしていたわけではないですからね。最初からトップである前澤さんが出てこられて、ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)やプライベートブランドの話を聞いて。私は前澤さんと同い年で、ブログもチェックしていた。今はありませんが一時はスタートトゥデイの株も結構、買っていました。そういう意味では会社や社長のキャラを、ずっとウォッチしていたところもあって共感を覚えていたんです。

――田端さんの後を引き継ぐことになった古賀さんとしては、どのような思いでいますか?

古賀:田端さんとの付き合いももう12・3年? かなり長いんですよ。ライブドア時代に広告事業の再生も一緒にやりました。その後、田端さんがコンデナスト・デジタルに移られた際にも見送りしていて、今度で2度目。私に今一番求められているのは気持ちよく送り出してあげること。

 いつも言っているんですが、このご時世、会社という枠組みはあまり関係ないですよね。どこに行こうが、関係性はあまり変わらないんじゃないかと思います。ちょっとさびしい気持ちはありますが、いつでもLINEで話しかければアドバイスももらえるだろうし、商談もできるだろうし(笑)。

狭い意味での広告にこだわっていると終わる

――田端さんのスタートトゥデイでのミッションは?

田端:これからの話なので具体的なことはまだ言えないのですが、スタートトゥデイにとってこれまでの延長線ではないことに挑戦していくことになるでしょう。あとは、事業主サイドに移ることでデジタルマーケティングのリテラシーを高めていくことができればと思います。

 これからの時代、狭い意味での広告にこだわっているとビジネスとして終わると思うんですよ。LINEでの最後の2・3年も、広告の意味を拡張しようとしてきました。大量に作って、流通させ、その上でマスプロモーションによって消費を促すという流れがずっと続いてきたわけです。ですが、Amazon Dash Button(アマゾン ダッシュ ボタン)やZOZOSUITなんかを見ていると、広告やマーケティングという次元だけでなく、大量生産が先にあって、大量プロモーションから大量消費へとつながる経済やビジネスのあり方全体のパラダイムが変わってきているんじゃないかと。

 事業主サイドも、人材の流動性含めて変わっていかなければなりません。人事異動の結果でマーケティングを担当することになり、「ソーシャルとかスマホが流行っているからLINEをやれと上司から言われまして……」というようなプロ意識もパッションもない人がいるのも、良いも悪いもなく一つの現実です。

 だからこそ世の中にインパクトを与え、業界の構造やビジネスマンのマインド自体を変えていく必要があります。まだ仮タイトルですが、私個人としては5月に『ブランド人になれ〜社畜解放宣言』といった本を出す予定です。そこで社畜サラリーマンの奴隷解放宣言みたいなことを言いたいと思っています。私自身が在庫を持ってビジネスする事業会社に入り、リスクを取れるパンクなオーナー企業でサラリーマンでも、ここまで自由にできる! という働き方改革の実例を示していきたいと思っています。

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この記事の著者

市川 明徳(編集部)(イチカワ アキノリ)

MarkeZine編集部 副編集長
大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告・書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングにあたり、漫画技術書のベスト&ロングセラーを多数手がける。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。漫画記事や独自取材記事など幅広いアウトプットを行っている。
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※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/03/02 09:23 https://markezine.jp/article/detail/27956

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