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選ばれるブランドになるには?大和ハウス工業に学ぶ、生活者視点を大事にしたコンテンツマーケティング

2018/04/03 09:00

 「選ばれるブランド」になるためのコミュニケーションでは、購入を検討している生活者に向け、適切な情報を提供することが効果的とされる。デジタル施策に取り組むマーケターは、どんなことに留意してコンテンツを用意するべきなのか。「MarkeZine Day 2018 Spring」では、試行錯誤を繰り返しながらつかんだコンテンツマーケティングのコツが披露された。

”選んでもらう”ことに注力したコミュニケーション

大和ハウス工業株式会社 総合宣伝部 事業販促企画室 山橋里菜氏

 大和ハウス工業(以降、大和ハウス)と言えば、戸建て住宅メーカーのイメージが強いかもしれない。だが、大和ハウスグループの売上高構成比(2017年3月31日現在)をセグメント別に見ると、賃貸住宅と事業施設が全体の過半数を占めており、意外にも戸建て住宅は11.0%なのだという。その他にも、商業施設やマンションなど幅広い事業を展開している。マクロ経済に目を転じても、住宅着工指数は年々下がってきている。

 とはいえ、戸建て住宅事業は、人の住まいという生活に欠かせない根幹に関わる事業。創業以来60年以上、ハウスメーカーとして事業を展開してきた同社は、「住宅のシェアNo.1の奪還」という目標を掲げ、達成に向けての取り組みを進めていると山橋氏は経営環境について語った。

 そんな大和ハウスが現在展開している戸建て住宅ブランドが「xevoΣ(ジーヴォシグマ)」だ。CMを見ただけでは、名前をすぐには覚えられない。写真を少し見ただけでは特徴を掴みにくい。住宅展示場で家が並んでいるとどの建物も同じに見えてしまう。何も知識がないと、検討しようにもどのメーカーがいいかの判断が難しい。しかも、住宅展示場の見学は1日に3軒が限界と言われている。担当者が付いて時間をかけて丁寧な接客をしてくれるので、何軒もはしごをすることは難しいのだという。

 このような現状を踏まえ、大和ハウスは、「xevoΣ」というブランドを住宅展示場に行く前に知ってもらい、好きになってもらい、行くときに選んでもらえる存在にする施策が必要と考えた。10年来、テレビCMを流してきたので、「大和ハウス」という名前の認知はある程度浸透した。「今は知ってもらった上で、選んでもらうことに注力しています」と山橋氏は話した。

2つのオウンドメディアを運用

 大和ハウスのWebサイト構成は、コーポレートサイトと事業のサイトに分かれる。事業サイトは、顧客別に分かれており「住まいを考えている方」「土地の活用を考えている方」「法人のお客様向け」の3つに分類できるのだという。今回、山橋氏が解説した取り組みの内容は、住まいを考えている生活者向けてのアプローチだ。大和ハウスでは二つのオウンドメディアを運営している。

 一つは、「注文住宅商品サイト」(図1)。このサイトは、既に大和ハウスの注文住宅やxevoΣに興味関心がある人向けに情報提供を行うものであり、注文住宅のハウスラインアップ、建築事例、間取りなどの暮らし方提案、見学会やキャンペーン情報などを提供している。コンバージョンは全国各地の住宅展示場への来場予約、および資料請求だという。

図1:関心がある人向けのオウンドメディア「注文住宅商品サイト」
出典:大和ハウス工業

 もう一つのオウンドメディアは、大和ハウスへの興味関心の有無を問わず、住まいづくり全般に関心がある人向けの「TRY家コラム」だ(図2)。ここでは、住宅ローンや税制事情、建築費用に関することから、土地やスケジュールに関するアドバイス、間取りや暮らし方のヒントなど、多岐にわたる住まいづくりのお役立ち情報を提供している。

図2:第三者視点を重視したオウンドメディア「TRY家コラム」
出典:大和ハウス工業

 元々前身になるサイトがあり、コツコツ制作してきた結果、200記事超を提供するまでに成長した。SEO対策も自社内で行い、自然検索だけで全体の約60%に相当するページビューを獲得しているという。「注文住宅商品サイト」と同様に、ページの最後に展示場や資料請求ページへのリンクを付け、コンバージョンにつなげる工夫も凝らしている。

 山橋氏は、「ともすれば強くなる宣伝色を薄くするため、『TRY家コラム』では、第三者視点で住まいづくりに関することを語ってもらうように心がけています」と解説した。専門家、読者、新聞社などに参加してもらい、情報の信頼性を高めるようにしているとも話す。広告主と共同での記事制作も視野に入る。


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