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成功事例から学ぶ!コミュニティマーケティングの秘訣

「あのコミュニティマネージャーやるなあ」と思わせるための社内アピール法

 コミュニティマーケティング成功の秘訣を紹介する本連載。今回は、多くのコミュニティマネージャーが課題としている、社内への成果アピール法について解説します。

コミュニティマネージャーの苦悩

 コミュニティマネージャーは、楽しそうに見える仕事です。だからこそ、マーケティングの一部であるにも関わらず、軽い扱いを受けることが多いのも事実です。

 実際に、私も次のようなことを言われた経験があります。「パーティーばっかりで楽しそう」「売り上げにはつながっているのか」。また、コミュニティマーケティングを蔑ろにしているわけではなくても、「時間とお金を、もっと広告に使ったほうが良いのではないか」「少ない既存顧客にばかり向き合っていないで、もっと新しい大きなターゲットを開拓してほしい」などと言われたこともあります。

 Web以前のマス広告の時代に、旧来の広告で新規顧客を獲得してきた上司世代からすれば、少ない人数を対象にしたコミュニティマーケティングが、もどかしい手法であることは想像に難くないことです。

 では、戦略的かつ会社に認められるコミュニティマネージャーになるためには、社内にどのような成果の見せ方をすればいいでしょうか?

その1.カテゴリや期間など細かく仮説を立て共有する

 方法は、とてもシンプルです。

 まず最初にするべきことは、目標を設定する時に仮説を立てて、その仮説を社内で共有すること。「○○の目的で活動を行うと、KPIはこれだけ向上し、その結果こういった成果が見込めるはずだ」という仮説をきちんと伝えることが重要です。

 しかし、これもそう簡単に実現し、解決できるものではありません。仮説を立てる際には、次の3つのポイントを意識するといいでしょう。

ポイント1 NPS以外のKPIを複数設定する

 コミュニティマーケティングにおけるKPIとして一般的なのは、活動(アクティベーション)数とNPSです。NPSは、ネット・プロモーター・スコアの略で、顧客の企業やブランドに対する愛着・信頼の度合いを指します。

 ただ、ご存知のようにNPSは企業全体に関わる、とても大きな数字です、商品開発や営業など、色々な部署や要因が絡み合っています。よって、コミュニティ活動だけでNPSが上がることはあり得ません

 つまり、「今期、ユーザーに向けた活動を〇回行いました」「NPSが向上しました」というように報告しても、コミュニティマーケティングによる成果は伝わりません。冒頭のような皮肉を言われても、仕方がないのです。

 そこで、コミュニティ活動数とNPSの間に、様々なKPIを設定することが必要になります。IT企業ならダウンロード数、登録者数、MAU(月間アクティブユーザー)など。物販企業でいえば、店舗来訪人数やECサイトへのMAUも対象になるでしょう。

ポイント2 カテゴリーやターゲットを絞る

 コミュニティマーケティングの戦略を考える時におススメなのは、商品カテゴリーやターゲットユーザーを絞ること。全体を網羅しようとせず、一番重視したい1~2の商品カテゴリーやユーザーに向けた施策のKPIをチェックしていきます。

 ここで大事なのは、会社全体のビジネスの方向性と、成長率の高いカテゴリーを勘案して選ぶことです。その際、上司に「なぜこのカテゴリー/ターゲットユーザーを選んだのか」を論理的に伝えておくようにしましょう。

 これを共有した上で、フォーカスした分野の活動について報告します。そうすると、たとえば「今期は、ファッションの分野の活動に注力しました。その結果、ファッション関連のアクティブ率が3倍になりました」などというように、コミュニティ活動とデータの関連性を上手に説明することができます

 さらにもう一つ、活動の目的も具体的に定義しておきます。具体的には、コミュニティにとっての既存顧客活性化なのか、新規メンバーの獲得なのか、などです。これにより、より詳細な成果を報告できますし、説得力も上がります。

ポイント3 KPI測定期間を長めにとる

 施策による成果が出るまでの期間を、長めに取っておくことも重要です。

 ビジネスの種類にもよりますが、コミュニティ施策は1回の活動で結果がすぐ出るようなものではありません。既存顧客の熱量で新規顧客がじわじわと集まってくるようなものです。外部のインフルエンサーの影響力や既存顧客の熱量を源に新規顧客を獲得するので、時間がかかります。この点を会社が理解している、という前提が大切なのです。

 これら3つのポイントは、基本のキ。他にも「あのコミュニティマネージャーやるなあ」と思わせる、社内アピール法はあります。今回はあと2つ、アピール法を紹介していきます。

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この記事の著者

松澤 亜美(マツザワ アミ)

 コミュニティマーケティングを専門とするコンサルタント。2014年より、Pinterest Japan3人目の社員としてコミュニティマーケティングマネージャーを務める。その後2016年10月からadidas Japanでブランドマネージャーを務めたあと独立。現在は企業や個人に対し、自走するコミュニティの企画運営、活性化をメインに、コンサルタントとして活動している。

 また、2008年に異文化理解コミュニティLunch Tripの共同代表としてコミュニティを立ち上げて以来、国内4拠点や海外、保育園などで活動を拡大し続けている。その他、トラベルブロガーとして世界45カ国以上旅しながら各誌コラムを掲載したり、J-waveでトレンドコーナーを担当したこともある。

 配信ブログ:「Ami-Go!旅と食とピクニックと。」

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/05/23 09:00 https://markezine.jp/article/detail/28240

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