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60秒動画でも約8割が視聴完了! お~いお茶×AbemaTVのコラボが生んだ効果に迫る


 昨今、TVCMの効果が再考され、マスとデジタルの統合アプローチが注目されている。その中で、マスともデジタルともいえない立ち位置にいるのが、インターネットテレビ局の「AbemaTV」だ。今回の記事では、その「AbemaTV」とコラボレーションし、「お~いお茶」の新たなブランドイメージ訴求を目指した伊藤園の事例について、伊藤園とAbemaTVのキーパーソンにインタビューを行った。

機能的な訴求をやめ、若年層にアプローチ

今回のインタビュイー

写真左:株式会社伊藤園 広告宣伝部 デジタルコミュニケーション室 室長 小笠原 嘉紀氏(取材当時)

 同社のマーケティング部門にてジャスミン茶や麦茶など「お~いお茶」シリーズ以外のブランドマネージャーを経験後、デジタルコミュニケーション室の立ち上げから参画。ネット広告やWebメディアとのタイアップはもちろん、お茶とハッカソンをコラボレーションした「茶ッカソン」など企業ブランディングにつながる取り組みも推進している。

写真右:株式会社AbemaTV 広告本部 本部長/株式会社サイバーエージェント 執行役員 山田 陸氏

 サイバーエージェントが運営するメディアの収益責任者を経験後、現在はAbemaTVの収益責任者を担当。広告商品の開発や新規タイアップの開拓、アライアンスでの収益化など様々な形で事業拡大につながる取り組みを進めている。

――今回、AbemaTVとのタイアップ施策を行うに至った背景を教えてください。

小笠原:「お~いお茶」の発売から約30年となるのですが、購入、飲用する方の年齢層が年々上がっているのを感じていました。そのため、若い方たちにも手に取っていただくため、今回の企画がスタートしました。

――ボリュームゾーンとしてはどの年齢の方が多いですか?

小笠原:40代から50代の方ですね。商品自体の認知は世代問わずほぼされていると思いますが、その先のステップである「実際に手に取る」「買って飲む」のは上記の層が多い状況です。

 そのため、10代から20代の層だけでなく、30代くらいまでをターゲットに施策を行おうと考えました。

――これまでの施策が抱えていた課題はなんだったのでしょうか。

小笠原:我々はこれまでTVCMなどのマス広告を中心に、「お~いお茶は他社製品より香りがいい」といった機能的な訴求を展開してきました。しかし、それでは若い人には響かないと思ったのです。

 その中で、弊社にいる伝説の男「角野」のエピソードを思い出しました。彼は、米国進出で苦しんでいた「お~いお茶」を、シリコンバレーで普及させた人物です。

なぜ、シリコンバレーで「お~いお茶」?

小笠原:実は、シリコンバレーの多くの企業内にあるフリードリンクコーナーには、「お~いお茶」が入っています。しかも、入っているだけでなく、毎月1、2を争うレベルで「お~いお茶」が飲まれているんです。

――とても意外ですね。

小笠原:この話をすると多くの方がビックリします。そして、これは話題作りに最適なネタなのではないかと考え、このエピソードを軸にしてメッセージを届けようと考えました。

――しかし、なぜシリコンバレーでそこまでヒットしたのでしょうか。

小笠原:最初は、スーパーや問屋に行き商品を置いてもらう、いわゆる飲料メーカーが行う営業をしていたのですが、米国では「お~いお茶」ならびに伊藤園という企業の認知もない上に、無糖のお茶を飲むという文化もなかったので、なかなか受け入れてもらえませんでした。

 そこで角野は、先に消費者側に「これいいね」「飲みたい」と言ってもらうことを目指すことで、スーパーや問屋が取り扱わざるを得ない状況を作ろうとしました。その中で、ある企業のオフィスに行った際、フリードリンクの中身を見ると、着色料の沢山入っているであろう飲料など、毒々しいものだらけでした。

 そこに「お~いお茶」が入れば、「日本語のオリエンタル感」「無糖で健康的」という圧倒的な差別化が図れると考えたのです。それが功を奏して、多くの企業に採用いただけるようになりました。

シリコンバレーにお~いお茶を広めた角野氏
シリコンバレーに「お~いお茶」を広めた角野氏

――ものすごいストーリーですね。

小笠原:企業によってはひと月に最大7,000ケース、本数にすると8万4,000本近く飲まれています。これって凄いことだと思いませんか? こういった情報をターゲットの皆さんに知ってもらえれば商品のことを気にしてもらえると思ったんです。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/05/22 11:33 https://markezine.jp/article/detail/28242

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