サイバーエージェントのAI研究開発組織「AI Lab」は、大阪大学の石黒浩教授、東急不動産ホールディングスとの3社共同研究プロジェクトとして、卓上型対話ロボットの 「CommU(コミュー)」 と 「Sota(ソータ)」を使い、ホテルでの接客実験を2回に分けて実施。第1回の結果を発表した。
ホテルにロボットがいると人はどのように感じるのか
ホテルというプライベートに近い空間の中で、存在感や行為主体性(※)のあるロボットが挨拶や声かけを積極的にしてきたら、顧客はどのように感じるのか。この点を確かめるため、第1回目の実験では、ホテルフロアの廊下とエレベータ前に、卓上型ロボットの「CommU」と「Sota」を配置し、外部カメラで人を検知すると、適切なタイミングで人に対し声かけや挨拶を行う実験を実施した。
ロボットとの会話で機嫌が良くなることも
被験者への調査を行った結果、「ロボットに積極的にいてほしいわけではないが、いる分には威圧感はなく、むしろ楽しい気分になる」ということが示され、ホテルにおいて積極的に話しかけるロボットが人に受け入れられることが確認できた。
図について:「1. そうは思わない」から「7. よくあてはまる」までの7段階尺度。アスタリスク(*)は「4以下と答えた被験者数」と「5以上と答えた被験者数」の間に1%有意水準において有意差があることを表す。
2回目以降の実証実験では、ディープラーニングによる画像認識技術や無線端末による個人識別技術などを用いて、人型ロボットが顧客に対し個人の属性や状況に適した案内をしたり、間(ま)をつなぐ雑談をおこなうなど、これまでよりも深いコミュニケーションをホテルのあらゆるシーンにおいて検証する予定だ。
※ここでいう「行為主体性」とは、対象が物であってもその振る舞いが自律的かつ目的や意志に基づいていると観察者(人)が感じられる性質。
【実験概要】
内容:ホテル設備内における人型ロボットのコミュニケーション研究
場所:東急ステイ高輪
日時:(第1回)2018年3月19日~3月30日
(第2回)2018年4月16日~4月27日
主催:サイバーエージェント、大阪大学、東急不動産ホールディングス
協力:東急ステイサービス
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