YouTubeのTrueView広告とバンパー広告で意識したいポイント
初めに、無料動画視聴サイトであるYouTubeの動画広告の制作ポイントを解明していきます。YouTubeの視聴者は、あらかじめ動画を見るという姿勢が出来上がっているものの、その分広告であることがすぐに認知されるため、また違った工夫が必要となります。
YouTube TrueView広告
長尺のTrueView広告は、5秒以上視聴したらスキップできる仕様になっています。先述の通り、YouTubeではすでに視聴者も動画を見る準備ができているため、広告ということを認識した上で見てもらえるかがポイントです。
動画の内容としては、どのような展開になるのだろう、とオチを期待させる構成や演出が効果的です。完全視聴してもらうことを前提に配信するTrueView広告は、ブランドの認知拡大という目的にとても適しています。
たとえば、TSUTAYAが「TSUTAYA DISCAS」「TSUTAYA TV」の認知向上を目的とし、展開した動画広告が参考になります。動画内で表現されている人間の顔は、2万枚のDVDジャケットを使用し、コマ撮りで表現しています。CG合成と見間違えるような映像が話題になりました。開始5秒でDVDが動き出すというクリエイティブは、広告のスキップを予防するための工夫でしょう。
実際に、動画を最後まで視聴する割合が多く、平均完全視聴率が30%を超えという結果を記録しました。また、最後まで視聴させる仕組みとして、記事広告の展開も合わせて行っています。DVDの動く顔がどのようにして出来上がったのか、その裏側を合わせて見せることで、動画広告の再視聴を促進したのです。
もう一度見たい、と思った時にすぐ動画広告を検索できる点も、YouTube広告のメリットだと言えます。
YouTube バンパー広告
YouTubeの広告配信枠としてもう一つあるのが、6秒の動画広告であるバンパー広告です。スキップ機能が付いていないバンパー広告は、視聴単価が安く、かつ多くのユーザーに接触することを可能にしています。
そのため、大量にリーチをかけて、少しでも多くの人に記憶してもらいたいという目的に合った広告です。短尺のため、伝えるメッセージを一つに絞り、届けたいターゲットに印象付けることが重要となります。
最近よく見かけるのが、バンパー広告を有効活用するために、一つのメッセージに対して複数のクリエイティブを制作する試みです。こちらは、花王が「ハミングファイン DEO EX」のプロモーションに活用したバンパー用の動画広告です。「汗るオレ」というキーワードを軸に、様々なシーンで焦る男性の気持ちを演出しています。展開した動画の数は10パターン。視聴者に飽きさせずに、メッセージを印象付けることができたプロモーション事例といえるでしょう。