手がけたレシピが形となる瞬間にやりがいを感じる
――これまでの仕事のなかで、特に印象に残っていることは?
サッポロビール様のご依頼で「男梅サワー」に合うレシピを考案するという案件がありました。私が大阪出身ということもあり、フードコーディネーターと一緒に「ガーリックたこ焼きそば」というたこが入ったおつまみを考案しました。おもしろいネーミングにこだわったんです。そのレシピが採用され、イベントに来場したお客様がたこ焼きそばを食べているシーンを見たのは嬉しかったですね。それまではBtoBの仕事が多く、成果は数字で確認するものでしたから、自分の仕事が目に見える形になったときはやりがいを感じます。
――レシピ活用が、動画以外の場面でも増えていますね。
クライアントの多くは食品・飲料・調味料などのメーカーですが、外食チェーンの大戸屋様とのコラボも好評でした。女性のお客様の来店を促進したいとのことで、大戸屋様の人気メニューのレシピ動画を制作し公開、さらに全国の大戸屋様のレジ前とテーブルにコラボに関するポップを設置しました。ビジネス街にある店舗の女性来店が増えたとご満足いただけました。他にもDELISH KITCHENのレシピは、スーパーの店頭にレシピカードとして並んだり、商品のパッケージに掲載されたりしています。また身近な「食」を通して、生活者に商品やサービスに興味を持っていただきたいと考えるクライアントも増えています。たとえばWOWOW様から、放送されていたドラマ『ツイン・ピークス The Return』(2017年)の女性視聴者を狙いたいとのご要望で、ツイン・ピークス弁当のレシピを考案。出演俳優のカイル・マクラクランさんにスタジオへ来ていただいて、一緒にレシピ動画を制作しました。
メディア営業は広告枠でなくソリューションを提供する
――お仕事で心がけていることは、どんなことでしょう。
メディアの良さを理解し、広告枠ではなくソリューションを提供することですね。メーカーの皆様はそれぞれ持たれている課題が違います。その課題に合ったサービスとクリエイティブの提供を大事にしています。一方で、DELISH KITCHENユーザーの視点も忘れずに提案するよう心がけています。
ユーザーから見ておもしろくも役立ち、かつ好感度を保ちつつブランドリフトさせられる動画になるよう、常に新しい動画フォーマットの開拓を進めています。
――レシピ動画をはじめとして、SNSを活用した動画メディアの競合が増えました。その上で、改めてDELISH KITCHENの強みとは?
まずレシピ動画を検討されるクライアントは、制作するだけではなく、視聴してもらうことが大切だと考えています。DELISH KITCHENは国内で圧倒的リーチを持っていますので、拡散力はご満足いただいています。また動画の質も重要で、再生維持率をキープすることが動画制作に求められます。DELISH KITCHENの動画制作本数は月間1,000本以上。それをすべて分析していますので、この知見がクライアントのレシピ動画にもフィードバックされています。
ブランディングに貢献できるようになったDELISH KITCHENが、次に実現したいのは購買促進です。先にお話ししたクーポン事業やサイネージ事業で、購買へつながっているか効果測定ができるスキームを開発しています。POSデータをもとに、サイネージ設置前後の購買データの比較などをデータで抽出しています。DELISH KITCHENをお客様のマーケティング戦略の中核になるような存在にしたいですね。
――今後のキャリアビジョンは?
私がエブリーへ入社したときに比べ、社員数は20倍以上に増え、会社の成長と自分の成長がイコールになっていると感じます。また動画市場が成長し、出来上がりつつある一方で、次にどうしていくか?を考えることが求められているんです。このスピード感や変化が、他の場所ではできない経験であり、自身のスキルアップへつながっていると思います。そしてDELISH KITCHENだけでなく、エブリーという企業の認知も高めたい。個人としては、会社が大きく成長しているからこそ、働きやすい組織作りに取り組みたいです。
