※本記事は、2018年5月25日刊行の定期誌『MarkeZine』29号に掲載したものです。
スマホネイティブ世代とは?
「初めて持った携帯電話がスマートフォン」というスマホネイティブ世代は、年々拡大しています。総務省の調査によると国内のスマートフォンの普及率が70%を突破、13〜19歳のスマートフォン個人保有率は80%を超えています。さらにCAYoung Labが独自に行った調査では、現在の18歳以下の約65%以上は初めて持った携帯電話がスマートフォンといった結果が出ており、この傾向は今後さらに加速していくことが予測されます。
ではこれまで「デジタルネイティブ」や「モバイルネイティブ」と言われてきた世代と比べ、スマホネイティブ世代は、メディアやサービスに対しての捉え方や利用方法にどのような違いや特徴があるのでしょうか。
モバイルネイティブ世代は、現在の21〜29歳にあたります。中学生になる前後のタイミングから携帯電話(いわゆるガラケー)を所有し、携帯電話とともに学生生活を過ごしてきました。この世代の特徴は、「サービスの多様化とデバイス・プラットフォームの変化」を経験している点です。
ガラケーからスマートフォンへのデバイスの移行はもちろんですが、かつてはネットの入り口機能を果たしていた「iモード」「EZweb」から「Google」「Safari」などの検索機能への置き換わりも経験しています。また「メール」というコミュニケーション手段が「LINE」へと変わり、SNSにおいては「前略プロフィール」「mixi」「Facebook」「Twitter」「Instagram」と次々とサービスの移り変わりを経験。「ブラウザ」を中心に展開されてきたサービスが「アプリ」中心のサービスに置き換わっていくなど、変化の時代の中で様々なサービスの多様化に順応してきた世代と言えます。
一方、現在の13〜19歳にあたるスマホネイティブ世代は、ガラケーを知りません。初めて持ったのがスマートフォンであり、スマートフォンとともに学生時代を過ごしています。この世代の特徴は、「サービスの固定化とコンテンツの細分化」にあります。
デバイスとしての「スマートフォン」、プラットフォームとしての「LINE」「Twitter」「Instagram」「YouTube」などのサービスは、スマホネイティブ世代にとって既に「固定化」された機能と化しています。Googleの検索やAppStore内でのアプリ検索と同様の感覚で、TwitterやInstagramから情報を摂取し、YouTubeでコンテンツを探すといった具合です。細分化された情報やコンテンツへの入り口機能として、特定のサービスを利用している傾向が見られます。