電通、cciとともに、音声コンテンツを広告媒体に
2008年2月、電通とサイバー・コミュニケーションズ(cci)が、オトバンクとともに、音声コンテンツに広告を挿入して配信する「PodcastAD(仮称)」の運営開始を発表した。これまで音声コンテンツに広告を挿入するには、広告と本編をつなぎ合わせて1つのデータとして保存・配信するために、毎回データを編集し直さなければならなかったが、新たに開発したネットワーク型広告配信システムによって、複数の媒体やコンテンツに動的に広告を配信することが可能になった。
プロジェクトの話が出る以前は、一般的な中央サーバーでデータを管理する方法をとっていたため、コンテンツの管理やアクセス負荷が問題視されていた。しかし、PodcastADの導入によって、各社のサーバーにてコンテンツ管理が可能になり、このシステムを使って、電通とcciはラジオ局や主要新聞社に参加を呼びかけてポッドキャストコンテンツをネットワーク化。ダウンロード型コンテンツの広告市場の開発に取り組もうとしている。このプロジェクトでも、オトバンクは全体のシステム構築に関わっている。
新刊PRサイト「新刊JP」、携帯向けサービス「耳ヨミ」の利用拡大を目指す
このように自社の開発力を活かしたサービスを展開しているオトバンクは、新刊のダイジェスト版を無料配信する「新刊JP」や、携帯向けの配信サービス「耳ヨミ」もスタート。現在NTTドコモの端末向けに公式サイトとして提供している「耳ヨミ」では、ケータイ小説の音声配信も予定している。また、メインのポータルサイト「FeBe」でも、シリーズ累計100万部のベストセラー『女子大生会計士の事件簿』を声優たちによるドラマ形式で再現したオーディオノベル版の提供を開始するなど、コンテンツの拡充にも力を入れている。

今後の展開について久保田氏は、プロモーション利用が急激に伸びている「新刊JP」にも力を入れつつ、「本を買うならアマゾンというように、本のことが知りたいなら「新刊JP」へといわれるよう、「本のメディア」としての位置づけを確立したいですね」と語っている。