※本記事は、2018年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』31号に掲載したものです。目次はこちら!
●口コミをマーケティングする
●米国での潮流:WOMMAが全米広告主協会(ANA)の一部門に
●口コミの進化の変遷〜リアルな口コミから多様化へ
●口コミと口コミ・マーケティングの定義
●マーケターの想像を超える口コミのメカニズム
●自然発生的な口コミ
●喚起された口コミ(口コミ・マーケティング)
●ポジティブな口コミを誘発するためのコミュニティ活用
●BtoB企業も口コミ・マーケティングと無縁ではない
口コミをマーケティングする
誰もがネットやソーシャルメディアで情報発信できる時代になった今、ネット上の口コミには注目が集まる一方だ。新しいプラットフォームや、ユーザー参加型のサービス、インフルエンサー・マーケティングへの注目など、今や消費者発信による口コミの重要性は無視できない。その一方、口コミを作り出す具体策、あるいは話題を活性化させる方法論をマーケティングとして語れる人は、おそらくほとんどいないのが現状ではないだろうか。
そもそも口コミはコントロールできないものであり、マーケティングの対象ではないというのが一般的な感覚であろう。これは日本ではマーケティングといえば、マス・マーケティングという連想が強いからだ。マス・マーケティングについてはノウハウが蓄積し、たとえば広告会社によるマーケティング戦略は充実を極めている。しかし、口コミをマーケティングとして捉える視点は、今の日本にはまだまだ根付いていない。要するに口コミ・マーケティングは発展途上なのである。そこで本稿では、口コミ・マーケティングの知見や、口コミが消費者の意思決定に及ぼす影響について解説していく。