MAツール活用の3ステップ
MAツールの活用は、3つのステップで取り組むことになる。ステップ1では、プランを立てる。ゴールを設定してそのためのシナリオを整理し、どのようなシナリオがあるかを明らかにする。さらにそれぞれのシナリオを実施した結果を、KPIを決め管理する。ステップ2ではそれをMAツールにインプリし、ステップ3ではそれを使ってマーケティングのPDCAを回すことになる。
ポップインサイトの場合のステップ1では、ユーザーテストを使ってもらうためのプランを立て、シナリオを作る。最初からいきなりユーザーテストをしたいと考えている人は少ない。そこで、まずは現状の課題感から必要性を訴求していく。そのためのシナリオの1つに「アクセス解析シナリオ」がある。アクセス解析に限界や課題を感じている人に向けたシナリオだ。他にも「プロトタイピングシナリオ」や「提案力アップシナリオ」なども考えられる。
アクセス解析シナリオは、アクセス解析を行いその結果を見ても、そこからどうして良いかがわからない顧客が対象だ。アクセス解析を結果から、Webサイトのどこにどのようなアクセスがどれくらいあったかがわかっても、なぜそうなったかの原因がわからない。それでは、Webサイトの改善は行えないのだ。そこで原因から課題を見つけ出すためにユーザーテストを実施する。ユーザーテストならばポップインサイトだ、というシナリオを構成するのだ。
シナリオ作りと管理のポイント
「このようなシナリオをいかにたくさん作り、管理するか。それを、MAツールで行います。MAツールでは、カスタマージャーニーを作って管理します」と池田氏。しかし抽象的で細かすぎるジャーニーマップを作ると、1つのシナリオを整備するだけで力尽きてしまう。そのため、比較的簡単なシナリオを数多く作り管理するほうが、MAツールの威力は発揮しやすいと指摘する。
シナリオ作りには、まずは製品やサービスの売り方を見出す必要がある。その際には手元にあるユーザーデータの整理、営業や店舗、顧客サービスの担当者へのヒアリング、さらには顧客へのヒアリングを行うと良い。それらの結果から、複数のシナリオを生み出すようにするのだ。
多角的にコミュニケーションをとる
シナリオをもとに顧客とのコミュニケーションを実践するには、様々なコンテンツを用意する必要がある。その際に1つのメッセージに対し1つのコンテンツを作って終わりだと、なかなか顧客にメッセージが伝わらない。「手を変え品を変えして、伝えていくことが大事です」と池田氏。同じことを異なる角度から表現する。それにより、顧客に納得感が生まれる。
結果の評価は、シナリオごとにKPIで見ていく。実際にはシナリオパターンごとに、どのくらいの成果が上がったかを数値で確認することになる。その際にはデジタルのオンライン・コミュニケーションと、セミナーや電話などのリアル・コミュニケーションを分けることも重要だ。
KPIの設定まで準備できれば、ステップ2のMAツールへのインプリに移行する。SATORIではリード獲得、育成、抽出、そこから商談化・追客、全体最適化までを管理できる。リード獲得では「そのうち顧客」「今すぐ顧客」を分けて考える。