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第106号(2024年10月号)
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MarkeZine Day 2018 Autumn

すかいらーくとトラストバンクに聞く!ITの力で顧客ベースを強化し、ロイヤルティを構築するには?

ITの力を上手く活用するには何が大切か

――取り組みの中で、意外な成果や失敗談などあれば教えていただけますか。

武内:一つ挙げると、サイトでソーシャルログインを導入したところ、新規登録数がぐんと上がったことがありました。

 元々は、独自のIDでご利用いただいているサイトだったのですが、今年の6月、正式にソーシャルログインできるようにしました。漠然と、「口コミが広がるからユーザーも増えるだろう」みたいな期待をしていたのですが、機能だけ付けて集客施策はやっていなかったこともあり、当初は全然効果は出なかったんです……。

 どうしたものかと思っていたのですが、7月に西日本豪雨があった際、Twitterで結構大きな反響がありました。実際に我々の公式アカウントでも「ふるさと納税」で被災地を応援できることを何度かご紹介していたのですが、我々以外にも色々な著名人がつぶやいてくださり、そのつぶやきがソーシャルで拡散され、結果的にそのタイミングでサイトに訪れた多くの方にソーシャルログインをご利用いただけました。

 今回のことは、単純に間口が広がるからソーシャルログインをやったほうがいいということではありません。マーケティング発想でプロダクトを作っていくことの大事さを痛感しましたね。この時にご登録いただいた方々は、引き続きその後も利用いただいている割合も高いです。西日本豪雨の時だけでも、我々のサイトから13億円以上(2018年9月時点)の寄附をいただいております。

――和田さんにお聞きします。すかいらーくさんでは、本部でデジタル施策を組まれている方と、実際に店舗でお客様と接するスタッフの方とでITリテラシーにギャップがあると思うのですが、店舗側の理解はどのように促しているのでしょうか。

和田:確かに色々タイムリーな施策を打つと、突然お客様が特典をもってたくさん来店されるケースがあったりします。そうした時にフロアがまったく回らない事態が起きることも。そうするとスタッフとしてもネガティブな気持ちを抱かれることはあります。

 そこで、アプリの登録者数が増えれば店舗に来られるお客様の数も安定的に増えていくことを、実際に店舗から集めた数字をベースに話したところ、これはやはりやるべきだと店舗側の理解も深まりました。最近は、本部では店舗側のリソースやオペレーションを考えて施策の内容を企画し、店舗のほうも有効的に展開できるように理解を示してくれつつある段階ではないかなと思います。

たくさんの方にご聴講いただいた、人気のセッションとなりました◎

――それでは、最後に今後挑戦していきたいことをお聴きしたいと思います。

武内:ふるさと納税の範疇なのかということはありますが、具体的にはトラストバンクでは地域を元気にして、持続的に経済が回る状態を作りたいと思っています。今までふるさと納税でやり切れていないところで言いますと、地域にどうやって人を送るかという点に取り組んでいきたいです。ふるさと納税で関心をもっていただいても、実際にその地域に行くというアクションまで起こさせるのは難しい。そのギャップをどう埋めるか。どういったものがストーリーとして我々が描けるのかというところまで、地域活性化の視点でいろいろとサービスを拡充していきたいです。

和田:どれぐらいお客さんがお店に来られているかを、より正確に捉えたいと思っています。今はアプリの情報と位置情報を使ってみていますが、たとえば各店舗にビーコンを設置して、本当に店舗に来ているかを捉えたいですし、さらには、そのお客様がどうお店を利用しているのかデータの紐づけをしていきたいです。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/23 09:00 https://markezine.jp/article/detail/29380

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