MarkeZine Day 2018 Autumnの2日目には、「GDPR対応とLTV向上を両立する顧客ID/データ統合」と題し、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションの嶋田貴夫氏が登壇。One to Oneマーケティングを実現する上で重要となる「アクショナブルデータ」の収集や、拡張性を持ったアーキテクチャの構築、そしてGDPRなどの法規制への対応について語った。
One to Oneマーケティングにおける3つの課題
嶋田氏は冒頭で、企業がOne to Oneマーケティングを目指す際に課題となる3つの点を挙げた。
データ&アナリティクス部 シニアプロダクトプランナー CIMエバンジェリスト
嶋田貴夫氏
1. アクショナブルデータの収集
まず1つ目が、「アクショナブルデータの収集」だ。嶋田氏が語るアクショナブルデータとは、顧客から取得するデータの中でもマーケティングの施策(アクション)につながる有用性の高いデータのことを指す。
こうしたアクショナブルデータ収集を目的に、会員サイトなどを構築する企業は少なくないだろう。しかし、サイトを構築してすぐに顧客が個人情報を登録してくれるわけではない。「入力する項目が多ければ顧客は面倒に感じ、途中で離脱してしまう確率が高い」と嶋田氏は語った。
一方で、入力する項目をメールアドレスのみにした場合、会員の獲得にはつながりやすいが、メール以外の個人情報が集まらないというジレンマがある。嶋田氏は続けて、データのアップデートがされていないことで、収集したデータが「アクショナブルデータ」でなくなることも指摘した。
たとえば、独身男性の会員を獲得したとする。登録当初に入力されたデータがアップデートされなければ、「既婚」や「子持ち」とステータスが推移しても、送られてくるのはすべて独身男性向けの情報となる。これでは、いくら顧客情報を統合しても意味がない。
2. 各ツールとの柔軟な連携
2つ目に嶋田氏が挙げた課題が、「拡張性のあるアーキテクチャの構築」だ。基幹系システムからフロントエンドデータに至るまで、企業のシステム開発担当者は日々連携などの作業に追われている。そうした状況で、MAなどのマーケティングツールごとに必要なデータが異なると、連携の仕組みは一層複雑になる。これがシステム開発担当者の負担となり、即座にマーケティングの施策に必要なデータを出力することが困難となる。こうした理由で、すぐに施策を実行できずに悩むマーケターは多いという。
One to Oneマーケティングにおいては、様々なマーケティングツールとの連携が重要となる。そのため、データの連携がスムーズに行える拡張性の高いアーキテクチャの構築は欠かせない。
3. GDPRへの対応
さらに企業がOne to Oneマーケティングを行う上で留意しなければならないのは、今年5月に欧州で施行された「GDPR(General Data Protection Regulation:一般データ保護規則)」の存在だ。同規則に違反した場合、多額の罰金処分が課せられる。「制裁金の額は約25億円(※2018年10月時点のレートで計算)にものぼると言われています」と、嶋田氏は警鐘を鳴らした。欧州だけでなく、現在米国や日本などにおいても個人情報保護法の整備は進んでいる。

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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
ブレインハーツ取締役。AI、エキスパートシステムが流行っていたころに開発エンジニアに、その後雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダの製品マーケティング、広告、広報などを経験。現在は、オープンシステム開発を主なターゲットにしたソフトハウスの経営とライターの二足の草鞋を履いている。DB Online チーフキュレーター。...
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