マーケティングツールとの柔軟な連携が可能に
嶋田氏はまた、拡張性のあるアーキテクチャの好例として、無印良品の「MUJI passport」を紹介した。「MUJI passport」では、API経由で様々なデータ連携が可能だが、「GIGYA」においてもAPIを活用したデータ連携が可能だという。
「GIGYA」は60以上のマーケティングツールとの連携実績を持ち、特定のコネクタを使えば、開発することなく自動でデータ連携が行える。さらに、一部開発は必要になるが、新規会員登録があった際にリアルタイムで通知する仕組みも容易に実現できる。
続いて嶋田氏は、個人のデータの取り扱いに言及。プライベートDMPなどの個人データとの連携をする際には、「個人データを3段階のレベルに分けて考える必要がある」と指摘した。
レベル1はいわゆる生データで、顧客の行動の詳細な履歴情報などがそれにあたる。レベル2はプロファイル情報で、ターゲティングなどで利用されるものだ。そしてレベル3は、個人の特定性や識別性が高いデータを指す。
通常、レベル3に値する個人の特定性が高いデータは分析に使用しない。一方で、One to Oneマーケティングを行う際には、レベル2以上の高精度なデータが必要となる。それぞれの用途にあわせてデータを整理し、個人データを管理する。「こうしたアーキテクチャを構築することで、漏洩のリスク低下やコンプライアンスへの対応が非常にスムーズに行えます」と嶋田氏は語った。
GDPRにも対応し、顧客の意向に沿ったマーケティングを実現
最後に嶋田氏は、「GIGYA」の強みとして、GDPRへの対応を挙げた。GDPRは個人データの処理や移転を取り締まる規則だ。たとえば、欧州にあるデータセンターでデータ管理していても、そのデータを日本で「閲覧」した瞬間にそれは「移転」とみなされる。
「『GIGYA』では世界5ヵ所にデータセンターを配置しておりますので、それぞれのデータセンターでデータを保管することができます」(嶋田氏)
また、「データの扱いに関する同意の取得」については、顧客がどの項目にいつ同意したかを詳細に記録。クラウド型で運用しているため、記録の改ざんが防止できる。また、顧客からの同意がとれてないサービスは、データ連携によって制御される仕組みだ。
その他、「忘れられる権利」を考慮した機能を実装し、徹底したGDPR対応を行っているという。講演の最後に嶋田氏は、「『GIGYA』を使えば、これまでよりも効率的にアクショナブルデータを収集することができます。また、顧客の意向に沿ったデータ活用によって顧客をさらに理解し、顧客に合わせた適切なマーケティングが行えます」と、CIMツールの魅力を伝えた。