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BtoBは地味な世界? 輝くマーケターたちに聞いたBtoBマーケティングの魅力

「やっているのはリード獲得だけじゃない」/セゾン情報システムズ高山氏が語るBtoBマーケの楽しさ

 本連載では、「閉鎖的」「情報があまり得られない」と思われがちなBtoBマーケティングの魅力を、業界内で活躍するマーケターへのインタビューを通してご紹介。第1弾としてお話を伺ったのは、2018年4月にオラクルが開催した「Modern Customer Experience 2018」において、Markie Awardファイナリストに選出されたセゾン情報システムズの高山真彰氏です。自身のキャリアパスや現場の「あるある」、MAツール導入のお話を伺ってきました。

編集者時代を経て、製品を「伝える」側に

――最初に、現在のお役職を教えてください。

高山:2018年10月から、システム連携ソリューション「HULFT」の事業部におけるデジタルマーケティンググループのグループ長に着任しました。以前は、コミュニティマーケティングにも携わっていたのですが、再びデジタル領域の担当をすることとなりました。同じグループ内にはおよそ20名のスタッフがいます。

株式会社セゾン情報システムズ
HULFT事業部 マーケティング部 デジタルマーケティンググループ グループ長
高山真彰氏

――これまでのキャリアパスについて聞かせていただけますか?

高山:元々はアスキーでPC雑誌の編集者をしていました。当時はまだ紙の媒体しかありませんでした。それこそ今のようなインタビューをしたりしていましたね。そこではライティングや企画、編集など現在のWebサイト運営の基礎を築く良い経験になりました。そこから前職のクオリティソフトというBtoBのIT企業に転職。約3名ほどのマーケティング部に身を置き、マーケティングに携わるようになりました。

 編集者時代に雑誌の構成・制作などをしていたこともあり、様々な形で情報をアウトプットするのは得意でした。そのため、前職ではWebサイトから展示会への出展、カタログづくりなど、とにかく色々なことに携わりました。

――編集者からBtoBマーケティングの領域に足を踏み入れた時はどういった印象を受けましたか?

高山:編集者時代から、歯がゆく感じていたことがありました。それは、企業から送られてくるプレスリリースです。商品やサービスを訴求する形としてプレスリリースは非常に重要な役割を果たすのですが、受け手であるメディアとしては「もっとユーザーのことを考えたメッセージにすれば良さが伝わるのに」と思うことが何度もありました。プレスリリースに限らず、広告タイアップ記事案件などでも同様の感情を抱くことがありましたね。

 そのため、転職の際は「一次情報を発信する側に立ちたい」という思いでメーカーを選びました。BtoB企業に転職してからは、プレスリリースを自らで作成し、広報的な役割も担っていました。BtoBマーケティングに関することは一通りすべて経験を積むことができたと思っています。

 そうした中で、シンフォニーマーケティングの庭山一郎さんとお会いしました。庭山さんのBtoBマーケティングにおける思想を伺った時は、「これだ」と感じましたね(笑)。イベントや紙のカタログだけでなく、より売り上げに直接貢献できる領域を究めようと考えるようになりました。それを契機に、マーケティングオートメーション(以下、MA)をはじめとしたツールの活用やリードを営業へ渡す手法を学んでいきました。

4年前までは「マーケティング部」がなかった

――「HULFT」のマーケティング部に所属されているということですが、御社ではもともと「マーケティング」という部があったのですか?

高山:私がセゾン情報システムズに入社したのが、2013年。その当時は「マーケティング部」という名称はありませんでしたが、「事業推進部」という部門で今のマーケティング部の前身のようなことを担っていました。

――そこから「マーケティング」という部が立ち上がったのはいつ頃でしょうか?

高山:2014年、入社して1年ほどしてからですね。ただ、「事業推進部」の頃から、本質的にやっていることはほぼ変わっていません。リスティング広告をはじめとしたオンライン広告は当時から運用していました。

 強いて言えば、「リードを営業部門に渡す」という考えが当時はそこまで浸透していなかったように思います。この概念を普及させていくために、実際のプロセスを構築し始めたのは「マーケティング部」としての活動を開始してからです。

――BtoBマーケターという立場だからこそ感じることは何でしょうか?

高山:最近では、「BtoB」「BtoC」といった区別は実はないのでは? と感じています。BtoCマーケターの方々は、頻繫にブランドの重要性を語られますよね。私はそこにすごく共感を抱きます。弊社では「ブランディングをしっかり意識しよう」とよく言います。

 たとえば、「HULFT」は販売を開始してから実に25年が経っています。長い間市場で取り扱われているBtoBのソフトウェアです。売り上げに関して言えば、「DataSpider」などの他のソフトウェアも含みますが、直近3年間で70億円を超えています。主に金融や製造、自動車業界などで利用され、「安心して使える」といったご感想をいただきます。「HULFT」を”指名買い”していただくケースは多く、これこそがブランディングだと思います。BtoBだからと言って「ブランディング」の考えがないわけではないのです。

取材中にいただいた「HULFT」ブランドの水。
販売とは離れたところでも、こうしたブランディングは常に意識しているという

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この記事の著者

富安 純人(編集部)(トミヤス スミト)

MarkeZine編集部
上智大学ポルトガル語学科卒業後、新卒で翔泳社に入社。プライベートではサッカーブログを運営し、週末は寝る間も惜しんでサッカーを観る欧州サッカーオタク。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/06 09:00 https://markezine.jp/article/detail/29411

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